第128話

 〚 12月25日 〛 
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2025/12/25 06:00 更新












 #ロウロ組年越しカウントダウン

 12月25日
 年越しまであと6日!










 ↑ ここから何故か続いてる。









 クリスマス。


 ああ素晴らしき聖夜、
 街中が浮かれ気分で夜を迎える。

 この日だけは、夜の街も普段より明るくなる。



「 …あら。珍しく予定より早いのね 」

「 いつも通り時間ピッタに到着するオマエもそれはそれでどうなん? 」



 五分前行動大事だろ。
 そう言いながら、スマホの画面から顔を上げた。



「 ワ、ア…っとォ…………ア、ウン。
  似合ってると思うワ…… 」

「 挙動不審やめなさい、シバくわよ 」



 昏くなったので、ワイルドエリアの探索は終わりにして。
 一旦オレは実家に、ヒガンはホテルに戻って、着替えてから集合して飯に行く予定だったのだ。

 見慣れた白衣をすっかり脱ぎ捨てて、
 アイボリーのコートに柔らかな緑のマフラー。
 日の光のような金髪がイルミネーションに照らされて、
 きらきらと光の糸のように舞っている。
 そりゃ挙動不審にもなるだろ、誰かと思ったわ。



「 で?生憎、シュートシティは初めてなのよね。
  エスコートなさい、地元民? 」

「 ハイハイ、分かりましたってばオジョーサマ…… 」



 だが残念、中身はいつも通りだった。
 マァ服変えただけで中身変わったらそれこそ精神科医の出番だろ。
 いやコイツ精神科医だった、自分で自分って診れんのかな…



「 ……なあ、ヒガン 」

「 なによ? 」



 ふと、小物で飾られたショーウインドウが目に入って。
 なんにも考えずに、ふと声を掛けていた。
 見知らぬ場所の癖して、一人で先に行っていたヒガンが、足を止めて振り向く。
 浅葱の瞳の中に、クリスマスツリーのオーナメントが映っていた。



「 …その、なんか欲しいもん、ある? 」

「 唐突に何よ…………あぁ、今日ってクリスマスだったわね… 」



 それ忘れんのどうなの?
 オレがどんな感情でオマエに「25日出掛けねー?」って誘ったと思ってんの?
 オマエマジでそれどうかと思うんだけど?

 全部、口には出さなかった。
 口に出した瞬間に五倍の毒で返って来ることは、確定していたから。



「 プレゼント、ね…中学卒業から長らく貰ってないわ 」

「 あ、オレもだわ…まあそんなもんじゃね? 」



 オレのとなりで、ショーウインドウの中を見つめるヒガン。
 何度でも思うがちっせーな。
 実際オレの身長が高いだけで、ヒガン自身は女性の中じゃ高い方だけど。



「 ……あ、 」

「 どした? 」



 煌くガラスの向こう側を彷徨っていた視線が、ふと一点に落っこちた。
 目線の先を伺おうにも、身長が違い過ぎてわかんねー。
 194㎝と166㎝だぜ?驚けよ、24㎝差。
 歩幅も違うんで、今日のオレはびっくりするぐらい遅く歩いている。



「 ……あのレコードプレーヤー、少しだけど気になるわ 」

「 オマエ遠慮ねーのな。まあ買える金額なんだがよ 」



 綺麗に高っけーヤツが示された。ヒガン、オレオマエのそういうとこマジよくないと思うんだ。



「 あんたは何が良いのよ?聞いてあげるわ、答えなさい 」

「 上から目線~~……そうだなあ、んじゃコレで 」



 新しいのが欲しかったワケだし、丁度良い。
 シルバーの小さな鈴形のイヤリングを示した。本物じゃねーし、そう煩くはねーだろ。



「 じゃ、買いましょうか 」

「 おー 」



 レコードプレーヤーを探すときに、ふと羽モチーフのネックレスが目に付いて。
 なんとなしに手に取って、つい買ってしまったけど。
 それ以外は何もつつがなく、予定調和のように買い物は終わって。



「 はい。ついでにハンドクリーム買っといたわ、有難く使いなさい 」

「 コイツ、手袋しているのにオレの手が荒れてることを見抜いて…!? 」

「 カマかけたつもりだったのだけれど。普通に荒れてたのね…… 」



 指はもう一つの商売道具でしょうに、とかなんとか言いながらオレに紙袋を押し付ける。
 想定外のプレゼントを貰ったワケだし、まあ…あのネックレス渡したって、罰は当たらねーだろ。
 そう考えて、レコードプレーヤーと一緒にネックレスも渡した。



「 ……ネックレス? 」

「 羽モチーフだぜ~!かわいーだろ 」

「 ………………重いわね 」

「 重ッ、は!?!?!? 」



 そんなつもりねーし!!!

 店を出て通りをぎゃあぎゃあ騒ぎながら歩くオレたちを、
 広場にあるクリスマスツリーだけが、しずかに、やさしく見ていた。







 年越しまで、あと6日。
 ああ、どうか、来年も。
 こんな風に、ヒガンといっしょに、すごせますように。


















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