山姥切を見つけないとね。探すには道具とかがいるけど、今回はそんなの必要ない方法で行きましょう
私は髪につけていたピンを抜き取り、ぐにぐにと形を変形させると牢の鍵穴であろう所に突き刺した。いわゆるピッキングだ。
しばらく手元をいじっているとカチャリと小さな音がして鍵を開けることに成功した。やった!
音が立たないたように静かに座敷牢を出た私は、此処を地下だと判断し、上へ向かった。
少し歩いたところに階段があり、それが上へと繋がる通路だ。頑張って長かった階段を登り終わった。
捕まってどのくらい経ったのか分からないが、久しぶりの青い空と言っておこう。その空を見ることになった。
背伸びしたくもなるが目立つわけにはいかないので、我慢することとする。そんなことより山姥切だ。自分の刀剣男子には自分の霊力が流れているため「此処かな?」というくらいの場所はわかる。
人によっては「それただの勘じゃね?」と言うくらいの制度だ。
くるりと踵を返し、廊下を進んでいく。
……ここまで人がいないのは逆に怖い。
刀剣男士とかち合ったら刺すくらいの覚悟はしていたのだ。
それなのに…まるで此処に誰もいないみたいな…
誰もいない…?そうだ。誰も居ないとしたら、辻褄が合う。
あの三日月宗近のことだ。自分の信頼のおける刀剣男士を近くにつけ、私を監視するくらいのことはするはずだ。それなのにこんな簡単に脱出できる方がおかしかった。ふふ、私が判断を間違えるなんてね。睡眠薬が効きすぎたのかしらね。ふふふふふ。
つまり、此処は杏の本丸じゃない。聞いたことはあったが、実際に体験するのは初めてだった。
三日月は私を閉じ込めた。「神隠し」というものだ。
私は決めたのだ。昔、聞いた脱出方法はなんだったかしらね。確か、ある部分に行くと扉になっていて、、、て感じだったわね。確か。ただ、方向を間違えると一生出られないとも。ここも勘で行くしかないわね…うーんと、こっち。
これはダメな方な扉だと思うので無視。
それを5回程度繰り返すとこれ!と思わしき扉を
見つけた。周りに同化しているがどうも不自然なのだ。すっと手をかざすと、ドアノブが出てきた。
さぁ、神隠しからの脱出だ!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!