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第24話

secret answer 曲パロ/🐙🌟
2,595
2024/12/22 09:46 更新
🐙🌟視点です。

無色透明エンド。
ざっと周囲を見渡した後、敵がいなくなったことを確認して触手をしまう。


元はそこそこな規模のコンサートも開けるようなホールだったはずだけれど、そこは無惨な形で壊されていた。

座席は後ろの方は全壊し、天井も一部壊れている。

hsrb
……今日は、何か開催される予定だったんでしょうか


着いたときにはもう人影は見えなかったものの、敵が現れた時にその場から市民を避難させる部隊が一足先に出動していたからそのはずだ。


俺は変身を解いたうえで、誰かに見られてもいいようにラフな私服に着替える。

hsrb
誰かの落とし物とかあったらついでに拾っていきますかね、


そう呟いて舞台へ目を向けた時だった。

hsrb
……!?


舞台の下、1列目の座席部分。

あなた
……


そこで、誰かが一人舞台を見つめていた。

hsrb
ちょ、どうしてここに人がいるんですか!?


一歩間違えれば死んでいてもおかしくなかった。


その人のもとへ駆け寄ると、ゆるりとこちらを振り返る。

hsrb
……っ
あなた
……?


あなた
こんばんは、?
hsrb
……え、あ、はい、こんばんは


びっくりした。

人ならざる者のような、どこか俗世離れしたような神秘的な雰囲気をその人はまとっていたから。


灰色のパーカーを羽織り、フードを被っているから年齢や性別も分からない。

分かるのは、澄んだ瞳の色だけだった。

あなた
……ふふ、変な人
hsrb
いやそれはこっちのセリフですよ!?


その人はクスクスと笑うと、ふっと笑顔を消してもう一度舞台へと視線を戻した。

hsrb
……今日のイベントに来たんですか?
あなた
出演側、ですけどね
hsrb
ちなみに何が行われる予定だったんです?


その人はその質問には答えず、ふわっと微笑むと壊れかけの階段を登っていった。


舞台の中央へ進み、パーカーを脱ぐと客席へと投げ捨てる。


そのままふわりと左腕を上げて目を伏せると、ゆったりと踊り始めた。


hsrb
……っ!


左回転、体を折ってしゃがみ込み、すぐに立ち上がって顔を上げ何かにすがるように腕を伸ばす。

それは、踊りへの知識があるとは言えない俺でも分かるほどクオリティの高いものだった。


くるくる、ゆるゆる、ひらひら、その人は踊り続ける。

紺色の衣装に月の光が当たって、世界の時間が止まったかのように俺は舞台の上を見続けていた。




夢現の状態からハッと意識が戻ったのは、その人が舞台の上でふらりと倒れた時。

俺は慌てて舞台の下へ落ちてくるその人を抱きとめた。

hsrb
大丈夫ですか!?


時計を見れば、討伐が終わった時から4時間経っている。

そんなにも長い時間踊り続けていたのかと驚き、それと同時に腕の中のその人が思っていたよりも細く小さいことにも驚いた。


自分の腕の中で息を荒げるその人を改めて見れば、まだ成人していないであろう年頃の、少女と呼んでも差し支えのない姿をしている。

あなた
あ、はは……
hsrb
っ、!


体調を確認するために顔を覗き込み、その泣きそうに崩れた笑顔を見て凍りつく。

あなた
今日じゃなきゃだめなのに、
あなた
今日、勝たなきゃいけなかったのに
hsrb
……どういうことです、か?
あなた
今日、お母さんの誕生日なんです
あなた
もう、死んじゃいましたけど



ほろほろと涙をこぼしながら、けれどそのことに気づいていないように俺から体を離そうとする少女の腕を思わず掴む。

どうしてか、今彼女を離したらもう二度と手の届かない場所に行ってしまいそうな気がした。

あなた
……ご迷惑をおかけして、すみませんでした
hsrb
あ、いえ……
あなた
もう帰ります、夜遅いですし
hsrb
っ、じゃあ、危ないでしょうし送っていきますよ


俺の言葉を聞いて、彼女は少し目を見開いてからくすりと笑った。

あなた
だめですよ、ヒーローさんはきっとまだ他にやるべきことがありますよね?
hsrb
……俺がヒーローだって、気づいていたんですか?
あなた
そりゃこんなところにいるんですし、そうだろうなと
hsrb
じゃあ、ヒーローなんですから――
あなた
救った人を守り切るのも務め、ですか?


言おうとしていたことを先回りして言われ、思わず閉口する。


少女はまたクスクスと笑うと、今度こそ俺の手を振りほどいて離れていった。

あなた
ヒーローは、誰か一人を守るんじゃなくて全体を守るものですよ
hsrb
……俺がヒーローじゃないとしたら?
あなた
んー……


パーカーを羽織りながら、少女はしばし考え込む。

少女が次に口を開いたのは、パーカーのフードまで被り終えた後だった。

あなた
すみません、ヒーロー云々は私の言い訳みたいなものだったみたいです
あなた
母との約束……があるから、一人で戦いたいんだと思います
あなた
堂々と、一人で生き残れる強さを持ちたくて



そう言って、彼女は先程俺の腕の中で見せた泣きそうな幼い笑顔ではなく、大人びたどこか危うい笑顔を浮かべた。

あなた
強引に連れて行かれるくらいじゃなければ、私は誰かに頼るわけにはいきません
hsrb
強引、に……
あなた
ふふ、でもヒーローさんには無理ですよね?
あなた
だって、ヒーローさんはヒーローだから
そのまま深々と頭を下げて感謝の言葉を伝えたあと、彼女は振り返ることなく崩れたホールから出ていった。



俺は、そんな彼女に声を掛けることもできず、ただ呆然と立ち尽くしていた。













お久しぶりです。

ほんとにお久しぶりです。


リクエストも出さず!!!大変申し訳ありません!!!!

私生活が忙しすぎる……ほんとすみません……途中まで書いてあるので……そのうち出します……



ところで皆様、にじ歌謡祭ご覧になりました?

びっくりしましたよ。

「悪役になるだけで君を愛せるなら」って。

へぇ……?


ということで速攻妄想が捗りまして書きました。

あれですね、曲が本編で、このお話はそれの過去編みたいなものです。

きっとこんなことがあった数年後、その、バーというかなんというかみたいなところで踊り子として働くんでしょうね。んで、星導と再会すると。

歌詞がちょいセンシティブ、というかモロだから……本編は書きにくいですけれども……




それでは皆様、ご覧になってくださりありがとうございました!

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