気がついて目に入ったのは白い天井。
いったい此処は?
私どこにいるの?
腹部に鈍い痛みを感じる。
熱もあるような気がして頭がまわらない。
ふと下に目をやると見知らぬ男が
私の手を握ってベッドの傍らに突っ伏していた。
急に男が起きてビックリした拍子に手を振り払ってしまった。
知らない男は急にボロボロと泣き始めた。
よかった、よかったと何度も繰り返しながら。
そんな状況をのみこめない私は、
ただ彼を見つめる事しかできなかった。
男はクシャクシャになった顔を拭いながら部屋を出ていった。
あ、ここは病院なのか…。
自分の腕に刺さった点滴を見て納得した。
2カ所、手術をしたからとの事だった。
なんで手術なんかしたんだろう、思い出せない。
先生と男の顔がこわばった。
なんか私、変なこと言った?
ただ頷くことしかできなかった。
先生が言うには
救急車を呼んで私を病院に連れて来てくれた人だそう。
それ以上、何も言えずにいた。
よく状況はつかめていないけど、
悪い人じゃないっていうのは直感的に感じた。
首を横に振ると男は安心した顔をしていた。
しばらくして警察が来て私とテソンは色々と話を聞かれたけど、
私の記憶と意識は途中で無くなった。
大丈夫も何も記憶が途中でプッツリ無い。
困った顔をする彼にそれ以上なにも言えなかった。
私は天を仰ぐように天井を見つめた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。