エデルを探して、山頂まで駆け上がる。竜の大声がする。これは…断末魔か勝利の雄叫びか…
沸る不安も一回置いておいて、とりあえず駆ける。
山頂に着いた時、そこには倒れたエデルと竜、そして大きな血溜まりが出来ていた。
…エデル…あいつも、勇気を出して戦ってくれたんだな。わかっていた。エデルが本当はあの竜なんて一撃で葬れるような実力を持っていたことくらい。
…とりあえず生存確認が一番だ。多分、大丈夫。
良かった。息はある。とりあえず回復魔法少しずつ掛けるか。
お、もうここまで回復したのか。回復魔法を掛けているとはいえここまで速いのは凄いことだ。
…思わず抱きしめてしまった。とりあえず一旦離れないと…
何やってんだー!カンパニュラ!傷開いてるって!
ま、本当は無茶なんてしてないけど。
さっきからなんか…カンパニュラが変…
…幸せ。
お別れか。まあ…人生出会いもあれば別れもあるよな…
…エデルとの旅も…今夜で最後か。
…ありがとう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。