たけside
数日後、久々のグループ仕事の楽屋。
打ち合わせの合間、あなたのたけが呼ぶ呼び名がスマホ片手に嬉しそうに俺の方に駆け寄ってきた。
『たけ!!この間撮った写真、ブログにあげていいー?』
一瞬、心臓が跳ねた。
写真あげるとか久々すぎて一瞬期待してまう自分が嫌になる。
けどあなたのたけが呼ぶ呼び名の目はただただキラキラしてて、何も考えとらんみたいに笑っとる。
「おん、別にええけど」
できるだけ平然と答えた。
それだけであなたのたけが呼ぶ呼び名は「やったー!」って子どもみたいに喜んでて、思わず口元が緩む。
…やっぱり覚えてへんのやな。
浦「なんか2人ほんまにええ感じちゃうー?昔にもどったみたいな」
蓮王「いやーほんまどうしちゃったん!なんか変な物でも食った?」
『なによそれー!変な物なんて食べてないし!ただ久々にたけといっぱい話せて楽しかっただけ!』
とか言って無邪気に笑ってるし...
俺は笑いながらも、胸の奥がざわざわした。
“楽しかっただけ”か…
浦と蓮王の茶化しに照れたふりして笑いながらも、心のどっかであの夜の「好き」って言葉がまだ鳴り響いてる。
本人は全部忘れて、ただ“昔みたいに戻れて嬉しい”って笑ってる。
俺だけがその言葉を覚えてて、勝手に舞い上がって、勝手に苦しんでる。
…けど、たとえ覚えてなくても、あの一言は嘘やなかったはず。
だから、次は酔った勢いとかやなくて――
あなたのたけが呼ぶ呼び名の口から、もう一度聞かせて欲しいけど、聞いて苦しくなるんも俺やなぁ笑なんて












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!