あなたの下の名前のことをガン見する天玄組男子勢。
若干、いやだいぶ引いている。
「武術」という言葉に目をキラキラさせる人が若干名。
テヒョンが意を決したように話しかける。
いきなり身を乗り出すジョングクに引いた顔で頷くあなたの下の名前。
さっきまでおどおどしていたのが嘘のように目を輝かせて言うジョングク。
全員で中庭に降りて、一定の距離ができたことを確認してから
腰元につけた短剣を鞘から抜くあなたの下の名前。
ふう、、と一息ついてからあなたの下の名前は目をぱっと開けた。
音楽もないのに流れるように動き出す彼女。
水のように滑らかでありながら炎のように激しく、風のように嫋やかで。
本来ならば共存し得ぬ要素が一緒くたになってあなたの下の名前の舞を飾る。
短剣が空を切り、衣が風に煽られてふわっと巻き上がり、
あなたの下の名前の結われていない髪が宙を泳ぐように舞った。
その顔は軽く笑んでさえいて、見るものの心を掻き立てる。
あなたの下の名前が舞い終わり、鞘に短剣をしまう音で見ていた28人は我に返った。
誰からともなく溢れたその言葉にあなたの下の名前は嬉しそうに微笑む。
俺も俺も、と続く天玄組。いつの間にかあなたの下の名前は天玄組に打ち解けていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!