ヒートside
お昼過ぎ。
依頼人との相談もあっという間に終わり、今は学校に行った奴らの帰り待ち。
その時だった。
📱ピーピー!
着信:フーカ
迷わず俺は電話を取る。
すぐにスピーカーにして、カジカジにも聞こえるようにする。
内容を簡潔に理解した後、通話を切る。
カジカジとアイコンタクトを取って、机の上に置いてある懐中時計と最低限の荷物を持って、フーカから送られた住所の元へ向かう。
住所の元はビル街の路地裏だった。
場所へ向かうと、先に着いていたクラメが手招きをする。
フーカ“たち”ってことは他の奴らも集まってるのか。
結界が張られていることを、何もない空間をノックして確認し、先ほどから鳴り止まない懐中時計_スモッグコンパスの蓋を開けて、透明な壁に向かってかざす。
そう言うと、透明な空間に扉が現れる。
扉を開けると、既に中にいたメンバーが「ヤミビト」となった人間と戦っている。
ヤミビトからは次々と触手のようなものが飛び交っている。
さらっとかわすと、俺は首のチェーンネックレスを人差し指に絡める。
同時に、カジカジは左腕のブレスレットを回す。
少し体が火照った気がする。
異能が発動された合図だ。
そうこうしている間にも、遠くからクラメを庇いつつ、フーカが状況を整理している。
そう言い、タスクは飛んできた触手をひらりとかわし、足を細かい粒子に変えて根本へ向かう。
タスクの異能は「粒子」。
体の一部や全身を粒子に変えることができる。
☀️ジリジリ…
シーザーの異能は「天候」。
天気を操ることができ、今はかんかん照りの太陽が照らしている。
暑いのはサウナで慣れっこだから、俺はその間にヤミビトの近くまで近寄る。
そうして汗が見えながら、カジカジは左腕を上げてヤミビトの両腕を遠隔で上げる。
カジカジの異能は「浮遊」。
遠隔でどんなものでも浮かせることができる。
カジカジがヤミビトの両腕を上げている間に、俺はヤミビトにできるだけ近づく。
至近距離スレスレまで近づき、右手から炎を出す。
俺の異能は「火炎」。
その名の通り、火や炎を操る異能だ。
そして、ヤミビトの腰辺りにあった黒い結晶目がけて炎を放つ。
シーザーのかんかん照りだった太陽も相まって、威力は倍増だ。
結晶は砕け、みるみるとヤミビトから黒い煙が上がる。
それが空中で散るのを見届け、ネビュラゲートが無くなるのを確認する。
言い忘れていたが、カジカジの仕事はこういう任務が終わった時の
事後報告用の写真を撮るカメラマン。
出かける時にはいつも、愛用のデジカメを持っている。
シーザーは異能の副作用みたいなやつがあるのか、発動するとしばらく眠ってしまう。
クラメが潰されては可哀想なので、シーザーを担いで俺たちは事務所に戻る。
夕飯の時間はだいたい何かあった時の報告会。
今日はカジカジ特製のオムライス。
🚪ガチャ!
ワンカラ報告ノート
wonder colors(通称ワンカラ)は「闇」を討伐するために集められた10人の学生異能者集団である。
全員異能が異なり、「闇」に染まったヤミビトを救出するために活動している。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。