その翌日。私は、馬車に乗り込み…死神調査へと向かった。
……やっぱり、馬車は慣れないわ…
お尻が痛い…

今回の依頼で向かう街は…中央と東の境目にある「カラン」という街なんですよね。

ああ、境目とはいえ、サルディス家が治める東の大地の街だ。

中央の大地の街とは違い、一風変わった街並みが見られるよ。

それに、東のの大地名産の珍しい調味料とかも多くて…料理好きとしては、興味を惹かれる街なんだよな。

もしかして、ロノさんの料理に新しいレパートリーが増えますか?

増えるかも知んねーな!

それは楽しみね。

いやぁ〜どんな飯が食べられるかワクワクするなぁ〜

ロノ。観光目的じゃないんだぞ?

まぁまぁ、ハウレスくん。少しくらい楽しんでもいいんじゃない?それに主様も、カランの街に興味がおありのようだしね。

そうだぜ、ハウレス。せっかくの旅なんだから、ちょっとは楽しまないと!主様もそう思いませんか?

ほどほどにだけど、楽しむのはいいと思うわ。

ほら!主様もこう言ってるし!

主様がそういうなら…まぁ、仕方ないが…ただ、この旅は「死神調査」が主であることは忘れるなよ。ロノ。

わかってるよ!はぁ……つーかよ、こんな依頼、俺だけいれば十分だったんじゃねぇか?

ん?やけに自信満々だな、ロノ。

ええ、急にどうしたの?

いやぁ…だって、この間なんて、一人で余裕で天使を倒しちまったからな〜

ですよね?主様?
あぁ……あれね、私が倒しちゃった時のまた別の時に、現れたからその時はロノが倒したんだったわ…
その時は本当に頼もしかったけど…

確かにロノは強かったわね、見惚れたわ(笑)

そ、そうですか…///

ん?顔赤いわよ?どうしたの。

いや、なんでも…

へぇ〜ロノくんは、すごいね。

そんな、褒めてもなんも出ないっすよ。
と言いながら、何かしらでそうね。

はぁ…お前はそうやってすぐに調子に乗る…真に強き者は、自分の力をひけらかしたりしないものだ。

うっ……

その点では、もう少しバスティンを見習ったらどうだ?
あ、それ言っちゃまずそう…

はぁ?俺がバスティンを見習う?冗談やめてくれよ、どうして俺より弱い奴を、見習わないといけないんだ?
ほら、言わんこっちゃない…

はぁ…だからお前はまたすぐそうやって…

……
こっちは華麗に無視しているわ。

おいおい、あまりにも図星すぎて何も言い返せねぇか?バスティン。

………
ん?なんか様子が変…

ぐぅ……ぐぅ……
普通に寝てるわ…
無視してたんじゃなくて、ただ寝てただけだわ…

ば、バスティンさん!?……これは完全に寝てますね。

ええ、普通のあの顔のまま平然に寝てるわ。

!!……こ、こいつ…

バスティンくんはどこでもねれるからすごいね。

まぁ、そのことだったら私もよ。まぁ、本当に眠くて眠くて仕方ない時の話だけど…そんな時は少ないわ。

こ、この…キツネ野郎…そうだ……この隙にバスティンの顔に落書きを…

こら、ロノ。人の顔に落書きしちゃダメよ。

はい…

ロノくんとバスティンくんは仲がいいのか悪いのかわからないね。

ええ、同感よ。

は?何言ってるんですか?俺はこんなキツネ野郎と仲良くする気なんてありませんよ。

あ、あの…フルーレさん。

ん?どうかしたのかい、ムー

前から気になっていたんですが……ロノさんとバスティンさんって仲が悪いんですか?

まぁ、見ての通り仲がいいとはいえないね…

やはりそうなんですね。

まぁ、ロノもあの通り精神的に子供だし…バスティンはそもそも他人にあまり興味がないからね。バスティンは自分が強くなることにしか興味がないから、いつも一人でトレーニングばかりしてるんだ。……実際、バスティンの強さは、執事たちの中でもトップクラスだよ。

へぇ、そうなんだ……

バスティンさんって、そんなに強い方なんですね!

そりゃあもう、すごく強いよ。執事の中でも一二を争うぐらい強いんじゃないかな?だから、ロノはバスティンにライバル意識があるんだと思う。

ライバル意識ね…持ってはいけないと、いうわけではないのだけどね。

まぁ、あの二人はよく比較されるんです。ロノも別に弱くはないけど、バスティンの強さが圧倒的で……その結果、事あるごとにロノがバスティンにちょっかいを出すようになったんです。

なるほど…そんな経緯があったんですね…

それでもバスティンは基本無視というか…まぁ、一切気にしてない感じなんだけど…

おい!フルーレ!何こそこそ話してんだよ。

ちょうどムーに「ロノは頼りになる」って教えてたんだよ。

ええ、そうだわ(笑)
我ながら、ナイスタイミングだわ。

俺が頼りになるだと?そんなの当たり前じゃねぇか。全部、俺に任せておけば安心だからな。

ははは……そ、そうだね…
ひ、引いてる……

あ、そうだ主様。一つ聞いていいですか?

ん?もちろんいいわよ。

主様の頬には蝶々の模様がありますけど、それってなんですか?

確かに、最初に会った時から気になってました。

あぁ……これ…

これは、上位魔導士の証拠的なものよ。まぁ…ないのが一般的だけどね…

ん…?どういう事ですか?

えっと……私の世界では、魔法は一般的なものだけど…この模様はないのが一般的なのよ…でも、魔法を出せる根源…『 魔力 』の量が一定な線を越えると、模様ができるのよ。まぁ、世界には3つの模様までしかないらしいわ。

へぇ!じゃあ、主様は2つ模様がありますから、すごいんですね!

ええ、一つの模様だけでも天才扱いなのに…三つとなったらもう神扱いじゃないかしら。まぁ、二つは………魔法の神に選ばれしものね。

あ、ちなみに…この模様は魔力が増えるとその模様も増えるのよ。

そうなんですね!

へぇ〜そうなんだな〜

そうだったんですね。

さすが、主様ですね。

そこまでは、すごくないわ。

そういえば、フルーレくん。君がこういう依頼に自分から参加するのは、本当に珍しいね。

やっぱり、迷惑でしたか?

いやいや、そんなことはないよ。ただ、フルーレくんはこういう依頼はあまり得意じゃなかったような気がして…

え、えっと…最近、俺ももう少し強くなりたいなって思って…
なるほど、昨日は何かあったのかと思ったけど、違ったのね。よかったわ。

フルーレがそんなことを言い出すなんて意外だな。それなら俺が、たっぷり稽古をつけてやるぞ。
………それだったら、この可愛い顔に……む、ムキムキに…???
それだけは絶対却下ね。

え、えっと…それは……

なら、私が稽古をつけるのはどうかしら?

……

……

……

……

……

……z Z

……?
何かいけなかったかしら…

いや、主様に稽古をつけてもらうのは……ちょっと……

あら…やっぱり、頼りないのかしら…

ち、違います!!!

そう……でも、フルーレが嫌がるならしょうがないわね…
ちょっと残念だわ…

うっ…(そんな純粋な目で見ないでくださいっ!!!断った罪悪感半端ないですよっ!!)

あ、あ…やっぱ!主様!稽古俺につけてくださいっ!!

あら?やる気になったの?それなら大歓迎だわ。

……フルーレ…俺と主様の差はなんだ

……

ハウレスの稽古はきついだからだよ…

ハウレス「さん」な…?でも、そんなにきついか?
普通にきついと思うわ…
まぁ、色々とあり……私たちはカランの街についた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。