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第1話

世界の住人
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2025/08/27 09:31 更新
この世には人間以外のものが存在する。
神や精霊、妖精と言った神聖なものもあれば、霊や死神など、人に様々な異常や死をもたらす者もいる。
だが、その役割を望んでやっている訳ではない者もいる。
死神としてはたらく、冨岡義勇もそのうちの一人だった。
死神は、人の魂を刈り取り、その人を死へ誘うことが仕事だ。
生まれた時から持ち合わせている大きな鎌。
小さな頃から依頼が入り、物心がついた頃には大鎌を握って人間界を回っていた。
そんな彼は今日も届いた依頼を着々とこなす。
冨岡義勇
まずは……、名前〇〇、△△町□丁目、1‐5に住んでる老人、か。
彼は歩く。その人の家へ向かい、大鎌を持って。
死神の姿はその、魂を奪われる_______死を迎える人以外には見えない。
依頼は大体この世を司る創造神から。この者はもう長くないと判断されると、彼の元に依頼が届く。
今この世にいる死神は、彼だけ。正確にはもっといる。だが、創造神に従い、順従に働くのは彼だけなのだ。
だが、彼はいつも思っている。
冨岡義勇
俺は、いつまでこんなことをすればいいんだろう。
冨岡義勇
人を殺している俺が、のうのうと生きているなんて、本当はいけないことなんだ。
彼は幾人もの人を死へと誘った。
健康だった老人、退院したばかりの青年、友達と遊んでいた少年。
そんな人達の魂を刈り取る度に、彼の心は傷んだ。
冨岡義勇
(ごめん…ごめんよ。)
そう思いながら、彼は鎌を振り下ろすのだった。
彼は罪悪感に押し潰されそうだった。
彼は知っている。
人間には寿命があると言われている。しかし、それは死神が命を奪って行くからそれ以上生きられないのであって、人間だって神や精霊と同じくらいの寿命を持つことを。
創造神は急速に人間を成長させ、そして殺す。残酷なものだ。
もう彼にはわからなかった。創造神はなぜ人間をつくったのか、死神をつくったのか。
彼は思った。もう、もう…
冨岡義勇
俺なんて、居なくてもいい存在なんだ。
自分の口から出た言葉は、彼を苦しめる。
そう、彼が……彼が自分に自信をもてたなら、きっと創造神にも勝てるだろう。死神と言うのは、人を殺すための鎌を持ち合わせている。
だが、その鎌を別の方向に使うことで、人を救うことも、助けることも、世界の方向性を変えることすらできる。
そんなことは、彼は知らない。
鎌が意志を持っていることも、
人を無敵にすることも、
世界を変えることが出来ることも、
彼は知らない。
そんな彼はいつも、感情が無かった。
笑うことも、泣くことも、楽しむことも無い。
そんな彼を変えることになったのは、いつものように依頼を受け、魂を刈る予定の人間の青年だった。
彼はその日も、依頼を受けて内容を確認していた。
冨岡義勇
次の依頼は……、不死川実弥、か。
冨岡義勇
(もう、殺したくない……。)
そんな気持ちを胸に秘めて、彼は歩き出すのだった。
新作です!!

本編は次からって感じ。恋愛とか書くの苦手だけど、前回の小説個人的に1番伸びて、↓↓↓超嬉しかったんで、書きます!
更新は遅いですがね……

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