第10話

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2026/01/01 12:00 更新
青side
えーと、つまり、りうちゃんの素?は…そういうことね。
あ、僕の説明いる?
ないこの部屋に行ったら、いつもと様子が違うメンバーの姿があって…

もうわけがわからなくて隅っこで小刻みに震えていたら、
いつも能天気な俺の恋人が仕切りだした。

どうなっとるんよ……
まず僕は普段問題児やってるけど、素はこんな感じだから。
まあ表のないちゃんみたいなね…この説明で大丈夫?
いえええええす!あいむおーけええええええ!
あ、薄々勘づいてたかもだけど、これがないちゃんの素ね。
ほんっと手かかるんだよなぁ…
そう言って、はあ、と息を吐くほとけは、
彼の言う通り、表のないこに通じるものがある。

もちろん、こっちのほとけもかわいい。
…いふくん?大丈夫?
あっ…!?は、はい…!
あれ…なんか、驚いたせい、かな…?
いつもみたいに振る舞えへん…

集まる視線にうるさく鳴る心臓を、必死におさえる。
ねえ…やっぱなんかいつもと様子違…
んゃっ!?そんなことないし!
俺のコミュ障は誇れるタイプの素ではないので、
あまり知られたくはない。

何か、関心をそらさなければ…!
そういえば…しょにだと兄貴はさっきから
全然喋っとらんけどっ、ど、どしたん…?
そう言った成り行きで2人の方に目を向けると、
そこには兄貴に抱きつかれているしょにだが。
なっ…あ…えーと…
悠くんが勝手に抱きついてきとるだけやけど、何
え~?いいって言うたやん!
え…しょにだ、なんかクール…?
てか、冷たい…?
雰囲気怖いな…

兄貴は兄貴で甘えたな感じやし…

いつもと違う2人の姿をまじまじと見つめていると、
しょにだの方が少し睨みをきかせた…ように見えた。
…いつまで見とるん…
あっ!?すすすすみませッ
大丈夫やで~。照れとるだけやから
はぁッ!?
しょにだの頭を撫ながら、そう言い放った兄貴。
たしかに、よく見ると彼の顔は赤い。
あ~、まろって、あれ?コミュ障ってやつ?
え…!
そんな、ないこの鋭い指摘に硬直する。

一番気になったほとけの方に目線をやると、
彼は、俯いていた。

…そうよな、恋人がこんなんとか、普通に嫌よな…
だから…!これは、その…
もー…いふくん!なんで言ってくれなかったの?
そう言って、ばっと顔をあげるほとけ。

び、びっくりした…
言っ…えっ…?なんで、って…
たしかに表の僕は頼りにならなかったかもだけどさー…
僕、いふくんの恋人だし、いふくんのこと大好きだし
だいっ…
大好き、という言葉に、
顔がたちまち熱くなってしまう。

俺さっきからテンパりすぎやん…
ださ…
相談とか、してくれればよかったじゃん?
りうちゃんは知ってたっぽいし…
さすがに、僕も嫉妬するよ?と付け加えたほとけ。

首をこてんとかしげ、
じっと目を見つめられる。
…すごいな…
…え?
あっ、その、俺、こんな性格やから…
お、思ったこととか、うまく伝えられんし…
伝えられるの、すごいなって…
思ったままを口にすると、
ほとけは少し難しそうな顔をする。

まさか、変なこと言ってもうた…!?

…かと思うと、また、微笑んだ。
うまく伝えられなくてもいいじゃん。
うまくなくても、ゆっくりでも、
少しずついふくんの気持ち、伝えてくれれば、それでいいよ
…!
今までに感じたことのないような感覚だった。
嬉しいような、はっとしたような…

澄んだ水色の瞳を見つめ返す。
あ、じゃあさ、あれ、言っちゃえば?
え…あれ…?
りうらにそう言われ、
時々彼の前でぼやいていたことを思い出す。

あれ、かあ…
ん?なーに?
上目遣いしてくるほとけは、
やっぱり、かわいくて。

耳元に口を近づける。
えっと…———したいなって…
…っ!?
耳元で囁くと、彼は赤面。
つられて、俺の顔まで真っ赤に染まった。
そういうのは、ちょっと、まって…
あっ…うん…
俺の望みが叶うのは、まだまだ先のようです…?

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