第14話

信じてよ
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2023/09/12 11:51 更新
2時間の撮影を終えて、録画を見たら声が入っていなかった。
時間は無駄になってしまったし、同じ実況は二度と撮ることはできないけど、いらいらはしていなかった。
誰か1人が悪いって訳じゃないし、むしろこの出来事を面白おかしく動画にすればいいやと思っていた

そして犯人探しの動画を撮るためにカメラを回した

4人を集めて、話を進める。
すぐに何をしたいのか理解してくれた。
やっぱ長年一緒にいると楽なんだよな。


「はい、これは誰のせいですかっ?」

こんな風に言ったら手挙げる奴はいないだろうな、と思ってると、隣にいるフジが手を挙げた。
俺はミスったのはフジ以外だと思っていたから、真っ先に手を挙げたフジに驚いた。
でもすぐにわかった。
きっとフジは庇っているんだ。
俺が怒るとでも思ってるんだろうか。

「嘘つけっwほんとのこと言えよ」

「いや、まじで俺w」

「ほんとそういうのいいから」

「俺だって」

何度言っても頑なに俺だと言い続けるフジ。
このくだりを続けるのも面白いか。
そう思って俺も庇ってる、嘘ついてると言い続けた


何分経ったんだろう。
下手したら、何時間?

もうこのくだりを何度もやって、こーすけもラーヒーも飽きてるのがわかった。
だからフジがミスったということにしてあげて、罪着せてやる権をあげてオチをつくって終わらせた。
オチが適当だったからかフジは少し不機嫌そうだった。

こ「何回やったんだよ笑」
ヒ「素直に認めてんのにねー」
キ「いや、あの言い方絶対嘘だったろwww」


フ「ねぇ、俺って、そんなに信用ないの?」
その声はいつもより少し暗く、小さかった。
キ「それ今関係ねぇだろw」

フ「そっ、か」

キ「フジ?え、なんで泣いてんの?」
フ「きよ、何回言っても信じてくんないし、さっきも、仕方なくって感じだったしっ」
キ「は?庇ってたんじゃ、ねぇの?」
フ「違う、ほんとに俺がヘマしたの、だからそう、言ったのに信じてくんない、から」
「、、、」

フ「ごめん、頭冷やしてくる」

キ「フジ!」
信用してない?
違う、違うよ。そんなことない。

俺は、お前が、、、
「フジかわいそ、こんなの公開処刑じゃん」
「まさかと思うけど、この動画あげないよね?」
「あのくだりやってる時、フジ苦しそうだったよ」

あのときこーすけとラーヒーは、あのくだりに飽きてたんじゃない。

フジの話を聞かずに好き勝手言い散らかして、
何度も傷エグって友達を傷つける​俺に、
呆れていたんだ。

自ら手を挙げた時、俺に信じてもらえなかった時、フジはどんな気持ちだったんだろう。

恥ずかしかっただろうな。
勇気振り絞って告白したのに、何度も言わされて。
でも動画だから、これはボケなんだって自分に言い聞かせて。

楽しいわけ、、、ないよな。

「楽しく動画を撮る」

それが俺らの最低限のルールだったのに。

信じてないわけじゃない。
傷つけるために言ったわけじゃない。
なのに俺は、友達を泣かせた、失望させた。
そんな動画を撮ってしまった。
フジは隣に居たのに。
誰よりも近くに居たのに。
フジの顔を見て話していれば、フジの様子に気づけていれば、こんな風になっていなかったのに。



本当は、皆に頼って貰えるようになりたいんだ。
少しも疑われることなく、キヨなら大丈夫だって思われたいんだ。
ごめん、こんな俺で、、、


「反省してる場合じゃないだろ」

そうだよな。

キ「ごめん、ありがとう」

それだけ言い残して家を出た。




フジは今どこにいる?

『頭冷やしてくる』

真っ先に思いつく場所──。
それは、俺とフジが初めて出会った、公園

「フジ、、、」
ブランコに座って、どこか遠くを見ていたフジ。
俺の声と同時にビクッと肩を揺らす。

「フジ、ごめん」
「、、、」
「フジの言葉無視してごめん」

「でも、信じてるよ。信用してるし、信頼してる。」

「ただ、フジは優しいから、気を使いすぎるから、だから自分が傷つけばいいって思ってんじゃ、ないかって思って」

フ「そうだったんだ」
「うん、ごめん」
フ「俺もごめん」

沈黙が続いた。
でも何故か気まずくはなくて、心地よかった。

少し経ち、フジが口を開いた。
フ「ここ、覚えてる?俺らが出会った場所」
「覚えてるよ」
フ「ちっちゃい頃、俺体弱くてさ、キヨがボール蹴ってるのずっと眺めてたんだよな」




友達と遊んでいる男の子。それをずっと見ていたら、近寄ってきて、いきなり俺の手を引っ張った。
「お前も遊ぼうぜ!」
フ「ぇ、、、やっ!?あのっ」
ずんずん友達の元へ歩いていく。

やめてよ、無理だよ、俺は。
君達が当たり前のようにやっていることが、俺にはできなくて、凄いことなの。
君が軽く言う 「遊ぶ」 は、俺にはすごく重いの。

フ「俺、運動出来ないから」
「なんだよそれ、、、」

あぁ、また離れていくんだろうな。

「どうでも良くね?、出来るようになれば良いだけじゃん」

それが出来たら楽だったよ。

「上だけ見てろよ、そうすりゃ出来る。あとは進むだけだろ?」

言われた言葉は、俺の待っていた言葉とは違った。
今まで俺に投げかけられた、哀れみでも、同情の声でもなかった。

無邪気でやんちゃな男の子が言ったとは思えないくらい暖かく、心に響いた。

皆俺を見放したのに。
一緒にいるとつまんないって、離れていったのに。
なのに君は、そんなに優しい言葉をかけてくれるの?
君はそばに居てくれるの?

初めてのことで涙が出た。
「お前、大丈夫か?」
フ「、、、お前じゃない、フジ」
仲良くなりたい、名前を呼んで欲しい、なんて初めて思った。

キ「フジ、か。俺はキヨ、よろしくな!」




「あったな、そんなことも」

「俺、さ。この公園に来て、気づけたんだ。」

「何に?」

「キヨはずっと俺のこと信じてくれてたってこと!」

「遅せぇよ、ばぁか笑」








投稿遅くてすみませんm(_ _)m
学校始まると途端に時間無くなりますね😭

そして、
私は修学旅行に行ってきます(*`・ω・)ゞ
あまり浮かれてないです。
でも班員はめっちゃいい。
どちらかというと楽しみ、かな?

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