誕生日 10時43分
「きよっ!!!」 3人の俺の名前を呼ぶ声で目を覚ます
3人は馬乗りになっていて、
「ハッピーバースデー!!」と言って
こーすけとラーヒーがクラッカーを鳴らす。
朝から聞くような音じゃない
「ハッピバースデーリアきよ/ちゃーん,くーん,すけーハッピバースデートゥーユー!」
呼び方くらい決めとけよ
フジがケーキを俺に差し出す。
ろうそくは所々消えているが数はきちんと30本。
丁寧なのか、雑なのか
お前らばかかよ
そう言おうとした時、前より強い痛みが走った。
「、、、っ??!〜〜ー〜!!!」
声にならない叫び声をあげて、喉を抑えて痛みに耐える。
急に苦しみ出した俺に3人は驚き、心配そうな顔をしていた。
喉を抑えても全く痛みは引かなくて息も吸えなくて涙が頬を伝う。
「呼吸してっ!!息吸って!」
息を吸うとする度喉がこじ開けられるようで痛い。
それでも荒く息をすると口の中に血の味が広がって咳をするたびに口の端から垂れる。
3人は眉をひそめるがそんなの気にしてられなかった。
苦しい 辛い 怖い 嫌だ
まだ死にたくない 生きたい
フジに抑えていた手をそっとどけられて、首に冷たいものを当てられる。
さっきまで皆が持っていたものが保冷剤に変わり、ヒラとこーすけに手を握られる。
どんどん死が近づいてることをわからせてくる。
痛みは、ふと時計を見ると30分を過ぎていた。
残り24分。
俺はもうすぐ死ぬ。
「はっ、ははっ、馬鹿だなぁお前ら」
「俺は奇病持ちだっ!俺は、もうすぐ死ぬっ、俺に触れたお前らも感染してる、お前らも死ぬんだっ」
なんで俺はこんな意味の無いことを言ってるんだろう。
キス病はキスしない限りうつったりしないのに。
お前は感染しないのに。
そんなこと言って怖がらせて、何がしたいんだろう
自分がどうしたいのか、お前らにどうしてほしいのか、わからなかった。
拒絶してほしいのか、近くにいてほしいのか
関わらないでほしいのか、助けてほしいのか
嫌われたいのか、嫌われたくないのか
だけど、これだけはわかった。
俺は、生きたいんだ。 死にたくないんだ。
これから先も生きていける、お前らが羨ましいんだ。
いつの間にか涙が溢れて、
「死にたく、ない、、、死にたくないっ、俺は、俺は、生きるためならっ、友達でもっ俺はっ!」
こーすけとヒラは悲しそうな、怯えたような顔をしていた。
「違う、俺達に、うつってなんかない、、、」
キ「ふ、じ、、、?」
フ「その病気、キス病だろ。キスをして、相手に押し付けて、治す病気。」
キ「な、んで、知っ、、、て……」
フ「俺も、キス病だったから。」
フジが、キス病?
キ「なっ、でもお前俺より誕生日……」
「驚いた?俺は何も知らない恋人に押し付けて今、生きてるんだ。最低だろ、、、」
フジは、泣きそうな顔して笑った。
「辛く、ないのか。」
「辛いよ、辛くて仕方がないよ。毎日彼女が泣き叫ぶ夢を見る。だけど俺は、お前らと生きたかったからっ」
フジはどんどん俺に近づいてくる。
何故か怖くなって後ずさる。
「これで俺のしたことが無くなる訳じゃないけど」
そう言って俺の顔に手を伸ばす。
「おい、おm/
顎を掴まれて強制的に口を大きく開けさせられる。
フジの舌が口の中に入ってきた。
キ「んん゙っ!!!」
辞めさせるためにフジの舌を噛んだ。
でもフジは顔を歪ませるだけで離さない。
「ん"ん"っ!んん"ぅゔゔゔゔっっ!!!」
どれだけ暴れても、フジは離そうとしない。
ゴクッと唾液を飲む音が聞こえた。
俺はもうとっくにフジの唾液を飲んでしまっている
フジが唾液を飲んだ瞬間に喉の痛みがなくなった。
フジは「これでいい」と、苦しそうに笑った。
時計は── 11時30分50秒
「良くねぇっ!口開けろ!このっ」
口を開けさせようとするが突き飛ばされてしまう。
嫌だ、俺のせいでフジが死ぬなんて。
「俺が!!良くねぇんだよっ!!!フジに生きて欲しいんだよ!」
「俺だって、きよに生きて欲しいよっ」
フジはキスされないように、俺はキスをするために互いに手を伸ばした。
フジに殴られ、床に叩きつけられる。
こーすけは唇を噛み締めていた、ヒラは泣いていた
11時36分35秒
まだ取っ組み合いをしていた。
諦められる訳がなかった。
その奇病は俺のだ。
俺が責任持って死ぬんだ。
「お前が死ぬ必要なんかないっ!フジの命なんかいらない!!!」
──54秒
「この命を、きよにあげる、お前がずっと求めてたものだ」
確かに欲しかった。
ずっと求めていた。
30歳で死なない命を。友達と生きるための命を。
でも、友達と生きるために友達を殺すなんて、、、
「そんなの嫌だっ!!!」
──11時37分00秒
その瞬間フジの重みが増し、フジと共に倒れる。
キ「ふ、、、じ、、?」
「フジ、、、」「うそ、ほんと、に?フジ、フジっ?」
キ「俺の、せいで、、、俺が、フジを、、、」
こ「お前が殺したんじゃない、誰も悪くない、、、」
「俺も死ねば、許されるか、、、」
リビングへ行こうとすると2人が足止めする
「なんだよお前ら、見てただろ、俺がフジの命を奪ったんだ」
こ「違う、奪ったんじゃない!フジがお前に命をあげたんだ!与えられたやつはっ、与えられたやつは、何が何でも生きなきゃいけねぇんだよっ!」
こ「お前が死んだら、フジの命が無駄になるだけだっ!!」
キ「むだ、、、に……」
こ「お前はフジの分まで生きて、その命を使い切るんだよっ!」
キ「どんなに辛くても、生きなきゃいけないのか」
ヒ「そうだよ、でもキヨは独りじゃない。
俺達がいる。フジも見守ってくれてる。だから、
一緒に生きよう、キヨ」
俺は2人のてをとった。
誕生日が嫌いだった。いつか死ぬ日だったから。
今日もその日が来た。
2人は満面の笑みで盛大に祝ってくれた。
「はい、プレゼントっ!」
そう言って渡されたのは大きな袋だった。
「え、、、?」
「キーボードの袋だよ」
「なに?これ」
「キーボードの袋だよっ!」
「ちゃんと長さとか測ったんだからな!?」
「ふはっ、バカらしいや」
ただの袋だけど、今まで貰うどんなものより嬉しかった。
ずっとプレゼントが供え物のようにしか見えなかったから。
フジのおかげで誕生日が嫌いじゃなくなった。
大好き、とかおめでたい、とは思えないけど、それでも大切な日。
「また4人で祝おうね」
「ああ、そうだな」
友達殺してよく生きてられるな、図々しい、そう思われても、俺は生きるよ。
どんなに辛くても、苦しくても、生きる。
それが、命の代償だから
だから、足掻くよ
この命、無駄になんてしない
フジが繋いでくれた命、大切にするよ
あの、ご、5000って、やばいですよね、
短編じゃないし今までで最長です💦
小説書き始めの時はなんか1000で長いとか言ってたのに、今じゃ1000なんて秒で超える……
なんかぐだぐだ書いちゃうんですよね。
同じようなこと書いちゃったりしてて、、、
そのうち5000で短いとか言ってそう……












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。