桃李 里海の過去編(中学1年生)
回想(小4)
昔はあんなふうに家族で和気あいあいと暮らしていた
あの日までは…
事件は小5のときに起こった
あの日は今でも鮮明に思い出せる。普段おとなしいお母さんが血相を変えて怒鳴っていた
そう言って母さんは俺を連れて家を出ていった
その日からだ…俺の生活が一変したのは
日に日に父さんに似てくる俺を母さんはひどく嫌った
ドカッ、ボコッ、ドカッ…………
そんな音が部屋に響き渡る
そういうのがずっと続いた(現在に戻る中1)
夕方俺はまたフラフラとでかけていた
17:00
帰宅
今日は珍しく母は出掛けているらしい
俺は部屋に戻ることにした
そうして、俺は目を瞑った
夢の中
その手には銀色に光る“モノ”があった
逃げないと…俺はそう直感的に思った
真っ暗な中俺は走り続けた
息が切れて口の中が鉄の味がしても…
でも、ふと思った
俺は振り返り母の方へ走り出す
ナイフが当たる直前光りに包まれた
気がつくと、俺はベットの上だった
お母さんはとても機嫌が悪いらしい
ドカッ、ボコッ、そんな風に殴られた
そう言って、母さんは包丁を持ってきた
予知夢、俺は見たことがなかった。
でも、もういいや死んでも
そう、頭の中に響いた
俺は走り出した。細い道をくねくねと曲がり
何とか親からまいた
親に殺される、でもどうすればいいのか俺には全然わからない
俺は、必死に助かるすべを探した、母さんの声はどんどんとこっちに近づいてくる
母さんにバレないようにそっと駆け出した
スマホで調べたら一つ検索に引っかかった
児童養護施設
そうして電話した、親に殺されかけていて逃げてることを伝えればすぐに来てくれるようだ
そしてまた走り出す
何分走り続けたんだろう…
バタッ
結局大人なんて頼りなかった、俺はこのまま死ぬんだな
グサッ
グサッ、グサッグサッグサッ
押し倒され馬乗りにされ、手や足を何度も刺され、そこらじゅうから血が出ていた
同じところを深く傷つけられとても痛い
意識が朦朧とする、あぁ…俺はもう死ぬんだな…散々な一生だったな…
ゆっくりと目を閉じた
安心したのか俺はもう目が開けれなくなっていた、そのまま意識を手放した
そうして俺は保護された
俺は全身傷だらけで親は傷害罪、など多数な罪が重なり執行猶予付きの懲役3年となった
-さとみくん過去編end-
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!