あの連絡以降リリーさんとよく会うようになった。
初めて会った時の、誘い文句から思っていた通り女の子に優しくて軽い男という印象。
深く私のことも、自分自身のことも踏み込んだ話をしてこない。適度な距離感で、そして上手な会話で色んな女の子を捕まえてるんだろう。
誰にでもやってるって分かってるけど、リリーさんから離れられない魅力があった。
リリーさんといると心地よかった。
『シラフで話すんのなんか緊張するね』
「ちゃんと顔みたの今日が初めてかも。色白で綺麗なお顔ですね」
『あなたちゃんこそ、めっちゃかわいいで』
「またまたー、」
いい具合に二人が酔い始め、いつの間にか暗黙の了解で先週のホテルに来ていた。
__307号室
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リリーさんとは遊びだって分かってても、夢中になってしまう怖さがあった。
こんな軽い男、好きになったって自分が傷つくだけ。
夢中にならないように、私も適度な線を引く。
この線を踏み込めば傷つく。
この線を踏み込めば関係も終わる。
線引きをしながら続ける関係も気持ちよかった。
いつもいつも、307号室だった。ここが私とリリーさんのいつ終わるか分からない関係が成り立つ場所。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。