第34話

寮長の過去かつての面影
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2025/01/29 07:55 更新
天窓から日差しが降り注ぐカフェテリアが、

この学園の『学食』と呼ばれる場所だった。
あなた
(屋内なのに噴水まで…すごい豪華だ…
それに、人がいっぱい…!)
歩二魁斗
歩二魁斗
あ、あなたの下の名前ちゃん!山姥切さん!
こっちこっち!一緒に並ぼ!
必死に人混みを山姥切と掻き分けて歩いていると、

魁斗くんの方が先に私を見つけてくれた。
歩二魁斗
歩二魁斗
学食はメニューの数が多いから、
並んでる間に決めちゃった方がいいよ!
歩二魁斗
歩二魁斗
あそこに写真でメニュー貼ってあるから
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
俺は、グリルドサーモンにしょう
歩二魁斗
歩二魁斗
グリルド…?ああ、焼鮭定食のこと?
歩二魁斗
歩二魁斗
って、おれはあなたの下の名前ちゃんとふたりで
ランチするつもりだったんだけどォ!?
行列の先頭では、生徒たちが大型の

タッチパネルを操作している姿が見える
あなた
順番が来たらあのタッチパネルで 
注文すれば良いんですか?
歩二魁斗
歩二魁斗
そそ!会計もそこでする感じ
歩二魁斗
歩二魁斗
頼んだメニューにもよるけど、
30秒くらい経つと、
下の受取口から飯が出てくるよ
あなた
30秒で…?ということは、
あのタッチパネルも怪異なんですか?
歩二魁斗
歩二魁斗
そゆこと!まあ、あのフォルムじゃ
怪異かハイテクか見分けつかないけどね
山姥切国広
山姥切国広
現世にはそんなものが…
あなた
凄いよね
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
50ポンドで足りるかな?
歩二魁斗
歩二魁斗
ポンドは使えねえっつうの!
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
そうか。もう持ち合わせがないから、
どこかでお金を下ろしたいね
歩二魁斗
歩二魁斗
わあったわあった。購買に行けば
ATMがあるから、後で案内してやるよ
それぞれ昼食を購入した私たちは、

魁斗くんが取っておいてくれたおかげで、

無事にテーブルへと着くことができた。
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
なるほど、これが
一汁三菜というやつだね。
フィッシュナイフはどこかな?
歩二魁斗
歩二魁斗
カトラリーならあっちに置いてあるけど、
多分そのフィッシュナイフってのはねえよ
歩二魁斗
歩二魁斗
…おまえ、もしかして箸使えないの?
あなた
…(未熟で、物騒で、身勝手な連中…
そう言い切っていたダンテ先生が
この平穏な光景を見たら、
どう思うのだろうな…)


そう言い切っていたダンテ先生が

この平穏な光景を見たら、どう思うのだろう。
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
心配してくれてありがとう、大丈夫だよ
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
実家にいる頃、日本文化は
少し学んだんだ。華道、茶道、
歌舞伎、それから武道に…
歩二魁斗
歩二魁斗
あーはいはい、期待したおれが馬鹿でした
歩二魁斗
歩二魁斗
なんなんだよ、その綺麗な箸の持ち方は!
少しはおれに弱み見せたらどうなのオ!?
山姥切国広
山姥切国広
魁斗、落ち着け公共の場だぞ?
あなた
(…たしかに、彼らは未熟かも
しれない。だけど、それはグールに
限ったことじゃない。)
あなた
(私だって、駄目なところだらけだし.....)
山姥切国広
山姥切国広
どうかしたのか?…あなたの下の名前?
歩二魁斗
歩二魁斗
あなたの下の名前ちゃん
箸止まってるけど、大丈夫?
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
どうした?
嫌いなものでも入っていたか?
あなた
あ、大丈夫です!すみません、
ちょっと考え事をして…
あなた
(寮長たちの雰囲気からして、
魁斗くんと接点が
あるようには思えないけど...)
あなた
(一応、さっきのこと
相談してみようかな)
私はふたりに、フロストハイムの任務への

同行が決まったこと、寮長室での出来事、

そして再び書類を届けに行くことを伝えた。
歩二魁斗
歩二魁斗
(フロストハイムの任務って…
まさか、おれはノーカンだよね…?)
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
君のように、訓練を受けていない
人間が任務に同行するのは、
正直賛成できないな
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
「怪異」相手に『絶対安全』はない。
相応の力を持った者に任せるべきだよ
歩二魁斗
歩二魁斗
そ、そうだよな!ルカ、
たまにはいいこと言うじゃん!
あなた
(ルカくんの言うことは、
ごもっともだ…)
あなた
(何も分からない奴が任務に
同行しても足でまといにしかならない…)
歩二魁斗
歩二魁斗
....あ、あれ?あなたの下の名前ちゃん?
いや、おい、言いすぎだぞルカ!?
歩二魁斗
歩二魁斗
あなたの下の名前ちゃんだって、ほら! 
グールのスティグマを
強化する力があるじゃん!?
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
でも、そのグールである寮長たちに、
彼女は拒絶されてしまったんだろう?
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
それじゃ、いくら能力があったって、
使い道がない。彼女を危険に晒すだけだ
歩二魁斗
歩二魁斗
あ~...実はここ最近、うちの寮長さ。
全然人前に出てこねえんだよな
歩二魁斗
歩二魁斗
拒否られてんのは、
あなたの下の名前ちゃんに限ったことじゃないの
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
そういえば、入学式にもいなかったね
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
何があったかは知らないけど、
寮長としての責務を
果たさないのは、情けないよ
歩二魁斗
歩二魁斗
おまえ、出会った時から思ってたけど、
自分にも他人にも厳しいタイプだよ…
歩二魁斗
歩二魁斗
まあいいや。きっかけは、去年学園内で
起こった内乱のせいだって噂
歩二魁斗
歩二魁斗
おれはなんとか巻き込まれずに
済んだけど、まじでカオスだったんだか…
歩二魁斗
歩二魁斗
そりゃ、トラウマにもなるよな〜
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
過去にどんなことがあろうと、彼は彼だ
ルーカス・エラント
ルーカス・エラント
寮長がどんな人間かは、
自分の目で確かめることにするよ
歩二魁斗
歩二魁斗
無茶言うなって…去年まではあの人、
泣く子も黙る、カリスマリーダー!
って感じでさ
歩二魁斗
歩二魁斗
まさに雲の上の存在よ。
裏では暴君とも呼ばれてたけど
歩二魁斗
歩二魁斗
おれみたいな一般庶民は、
関わることさえ無理寄りの無理。
対等じゃねえんだよ
あなた
寮長と顔を合わせるのって、
本来は一苦労だったんですね.…
歩二魁斗
歩二魁斗
そそ。最近じゃフロストハイムの運営も、
ほとんど副寮長の磴先輩がやってるしね
山姥切国広
山姥切国広
それなら、預かった書類は
副寮長に渡せば良さそうだな
あなた
そうだね…
こうして私は、午後の授業を終えた後、

びフロストハイムへ副寮長を訪ねることにした。



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