あなたside
お手洗いに着いた私はすぐに手を洗った
流しに薄い赤色の水が流れていく
私はその場にしゃがみこんだ
その場に泣き崩れてしまった
すごく辛い
一気に絶望に飲み込まれた
嫌だ…
嫌だッ!…
もうやだぁ…
そんな事を考えながら息を殺して泣いた
また来たよ…
もう止まってよ…
嗚呼まただ…
誰かが私の名前を呼んだ
呼ばれた方に顔を向けると
とむが居た
なんでこういう時に人が来るの…?
バレちゃった…
どうしよう…
どうしようッ…
私がいちばん迷惑かけちゃいけないのに
何でこうなるの…
あぁ…
もういっその事とむに言っちゃおうかな…
限界だよ…
疲れたよ…
そう言うととむは急いでお手洗いから出てった
あーあ
迷惑かけちゃった…
駄目なのに…
ダメだと分かっていたのに…
でも…
もう1人でこのことを何とかするのは
“限界なんだ”
数分後
私の鞄を持ったとむが急いでお手洗いに入ってきた
私はとむから鞄を受け取り
中に入っている
“薬ケース”と水を取りだした
薬ケースから
処方薬の複数個ある薬を一つずつ取り出し
水と一緒に一気に飲み込んだ
これで少しは楽になった…
もうとむには隠すことが出来ない
私は意を決してとむに私の“病気”の事を話した
私は心配させないように笑う
でもそれがとむの心配を加速させたらしい
私が死ぬのかもしれないと
涙を流すとむ
私はとむの事を抱きしめた
ギュッ…
サスサス…
私はとむに話しかけながら背中を擦る
私達は約束を交わした
指切りげんまん
嘘ついたら
針千本のーます
指切った
約束を交わした私達は
時間差でお手洗いを出た
彼女との約束を破らない為に
病気とちゃんと向き合うことに決めた
次の通院日まで
ここで働き続ける
通院日が来て
本当に病気が悪化してたら
ここのマネージャーを
“辞めよう”理由も言わずに
そしたら
みんなに迷惑かけないよね
みんなに忘れてくれる
彼に忘れて貰えるよね
彼への思いも












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!