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第1話

episode . 0
19
2026/02/27 08:00 更新





 春の匂い って 、
 あの場所だと思う 。


 神社の裏の 、
 草がちょっと伸びすぎた空き地 。
 私たちだけの秘密基地 。




usm
 ここ俺の城だからな !! 





 リトが木の枝を振り回して叫ぶ 。


 城っていっても 、
 ただ段ボールを積んだだけ 。




sik
 昨日決めたろ 、 
 順番制だって





 イッテツは家から持ってきた
 ノートを広げてる 。


 議事録いらないでしょ 。




hbt
 はいはい 、
 ほな今日は姫が決めたらええやん 





 マナがにやにやしながら私を見る 。




あなた
 姫ってなに 
hbt
 だって真ん中おるし 





 ウェンがクスッと笑う 。


 なんで真ん中なんだろ 。
 私ただ立ってただけなのに 。


 今日は何しようかな 、と
 考えた時 、
 1つ頭の中に浮かんだ 。




あなた
 じゃあ今日は宝物作る日にしよ 





 結構いい案だと思ったんだけど 、
 みんなが一瞬止まった 。




usm
 宝物ってなに 
hbt
 急に壮大やな 
akg
 タイムカプセル的な ? 
sik
 それ重くない ? 





 うるさい 。


 ちょうど足元に平たい石が落ちてた 。
 5人分の印を書けるくらいの大きさ 。




あなた
 これに印付けよ 
あなた
 これからの私たちの印 





 リトが石を受け取り 、
 削り始める 。




usm
 これ俺の紋章 
hbt
 だっさ 





 自信満々に言ったリトに
 冷たく返すマナ 。


 イッテツは真剣に刻んでる 。
 性格ですぎ 。


 ウェンはゆっくり削ってる 。


 マナはしばらく考え込んだ後 、
 印を付け始めた 。


 最後に石が私の前に来た 。


 みんなの印 。
 バラバラで 、なんか面白い 。


 だからその周りを囲うみたいに
 線を引いた 。
 真ん中に小さな点を1つ 。





 
akg
 なにそれ ? 
あなた
 ひみつ 





 なんとなく 書いてみた 。




usm
 20歳になってもここに来ような ! 





 リトが急に言う 。




hbt
 遠すぎやろ 
sik
 忘れんなよ 
akg
 覚えてたらな 





 みんな好き勝手言ってる 。


 私は石を大事に土に埋めながら言った 。




あなた
 うん 、絶対 





 その時は 、本気だった 。


 桜が少し散ったこの季節は変わっても続くし 、
 5人もこのままだと思ってた 。


 夕方の光はやわらかくて 、
 風が少し冷たくて 、
 でもなぜか暖かく感じて 。


 世界はちゃんと動いてて 。


 それが当たり前だった 。












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