第24話

【二十二話】僕の目に映る彼は、光り輝く存在だった。
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2024/05/10 06:35





暗めのお話です。見たくない方は閉じてください🙇‍♀️










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死にたい。死にたい死にたい死にたい。僕を見て笑う者、僕を見て睨む者、僕を見て暴言を吐く者、視界に入っただけで暴力を振るう者。

誰も助けてくれない。落ちこぼれな人間。あーあー死にたい。なんで俺、生まれてきたんだろう。


なーんて、そんなこと思ってたな。今思うとおかしな話に思えるよ。人生しんどいけど、予想外な事が起こる人生が楽しくなっちゃって今を生きてる。


あの時の僕へ、生きてくれてありがとう。


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クラスメイト
お、奴来たぞ!
ガラガラガラ…バシャーン
クラスメイト
うわっ引っかかってんのまじかよwww
クラスメイト
なに〜天然のフリかな?目見えてる?
莉犬
クラスメイト
あ、先生ー!莉犬が床汚しましたーwww
クラスメイト
びしょ濡れじゃーん、早く拭いてよ
ごめんなさい
先生
…早く拭いてな。床滑ったら危ないだろ
ごめんなさい
先生
他のやつは席に着けー



僕だってこんなことしたくないよ。そりゃバケツ見えたよ。わかりやすいからさ。でも前引っかからなかった時暴力振るって結構水かけられたし。

なんで僕生きてんの…笑
先生
今日は転校生がいる。入れ
ジェル
どーも。ジェルと言います。
クラスメイト
え、いけめんじゃん!
クラスメイト
これは俺でも惚れるわ
ジェル
あ、あざす。
莉犬
か、かっこいい…
ジェル
ん、あ、ありがとう
思わず出てしまった。ほんとにかっこよかった。スタイル良くて顔も声もかっこよくて…

あ、こんなことしてる場合じゃない、拭かないと…




キーンコーンカーンコーン
先生
あ、じゃあジェルの席そこ
先生
次の授業の準備しとけよー
クラスメイト
はーい


ジェル
なぁ、何してんの
莉犬
…え、僕に話しかけてる?
ジェル
お前を見てんねん、目合ってるやろ
笑った顔、かっこよくて優しい…
クラスメイト
あーwwこいつわざと水ばら撒いたんだよ
クラスメイト
そー、だから拭いてんの
ジェル
みんなで拭けばいいやん。めっちゃ水だらけやし。
クラスメイト
あー…まぁこいつが僕だけでやるって言ってたし
ジェル
そうなん?
莉犬
えっ、えっと…
なんでだろう、本当のこといいたい。今まで虐められてきたこと、なんだか今なら言える気がする。この人に、助けてもらえる気がするから…
莉犬
違う…
クラスメイト
…は?
クラスメイト
え、何言ってんの?
ジェル
僕を見つめるみんなの視線、だけど歪んで見える。ああ、僕、戦う前に泣いちゃった。
ジェル
はぁ…
オレンジ髪の男は、僕の頭を撫でてくれた。視線も合わせてくれてる。
ジェル
助けてほしい?
クラスメイト
おいおい、ちょまてよ…
莉犬


























莉犬
助けて…






















ジェル
お安い御用







彼はかっこいい。笑顔はもちろん、真顔に、彼らを殴ってる姿も。ここから人生が一変したと言っても過言ではない。クラスメイトの態度も先生の態度も変わった。毎日が明るくなった。



ジェルという名の男は最強でかっこよくて優しくて…





僕の目に映る彼は、光り輝く存在だった。



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