第34話

Smile?
305
2023/07/01 08:41



視界がぼやけて 、

何も見えない 。

私 、 何してたっけ 。



ようやく周りが見えるようになってきて 、

一番最初に見えたのは 、

お義母さんが倒れている姿だった 。


あなた
… お義母さん ?
お母さん
………… 。



何で倒れているか 、

全く思い出せない 。

けど1つ 、 はっきりと覚えていることがある 。



「 死んじゃえばいいのに 。 」



と私がお義母さんに言ったこと 。

私は 、

忘れていた自分をすべて思い出した 。

殺していた自分を全て思い出した 。

……… 思い出したくなかった 。


あなた
…… あぁ … そっか …… 。



言葉の悪魔 、

… 言葉からできる強い因縁が生み出した悪魔 。

沢山の人間が人間に暴言を吐くことが増えてしまい 、

私は生まれた 。



私の能力はまだあった 。

強い思いが込められている言葉が、

現実になるという能力 。

どうして忘れていたんだろう 。

もし覚えていたら 、

こんな事にはならなかった 。


あなた
私の記憶 、 空白ばっかだ … 。



最近 、

自分でも少しずつ気づいていた 。



言葉の悪魔が 、

私の代償を一度も貰わなかったこと 。

寝ている間に血を取っていると思ってたけど 、

言葉の悪魔の姿を見たことがなくて 、

少し怪しんでいた 。



そしてもう1つ 。


あなた
… チェンソー … マン 。



知らないのに知っている 。

私の何かがずっと叫んでいる 。

「 デンジはチェンソーマンだ 。 」

と 。


お母さん
……… 。





マキマ視点_


マキマ
マキマ
… 予定より早かったけど … 、

… 何とかうまくいったみたい 。



言葉の悪魔は 、

人間そっくりそのもの 。

つまり 、 それだけ人間に友好的な悪魔 。


マキマ
マキマ
あれほど

あなたの下の名前ちゃんの考えを狂わせたのは 、

一体誰なんだろうね …… 。



…… もう 、

分かりきったことか 。


マキマ
マキマ
… デンジ君達を呼ぼうか … 。





デンジ視点_


アキ
アキ
デンジ 、

マキマさんから連絡があった 。

急いで公安に来いって 。
デンジ
デンジ
え 、 マジ ?!

マキマさんに会えんの ?!
アキ
アキ
パワーが公安の外で待ってるらしい 。
デンジ
デンジ
え゛ ……… 。

それってただのパワーのお迎え ?
アキ
アキ
多分な 。

血抜きが終わって家に戻ってくんだろ 。
デンジ
デンジ
なーんだ … 。

マキマさんのとこちょっと寄って ( (
アキ
アキ
寄ってかない 。

すぐ帰るからな 。
デンジ
デンジ
チッ 。

ほんっと真面目だなー … 。



どーせアキだってマキマさんの所行きてぇくせに 。

カッコつけてんのダセー … 。


デンジ
デンジ
……… 。



… 何だ ?

今何か変な感じが ……… 。


デンジ
デンジ
… 気のせいか !

さっさと行こーぜー早パーイ !





あなたの下の名前視点_



意識が戻ってきて結構経った 。

お義母さんが目の前で死んでいて 、

私は全く別のことを考えていた 。



私は今 、 どんな感情か 。



皆はこんな時 、

どんな感情になるか 。



嬉しい ?

悲しい ?

楽しい ?

苦しい ?


あなた
…… アハ … 。
あなた
アハハ … アハハハハッ … 。
あなた
アハハハハハハ !!



私は笑っていた 。



きっと私は楽しいんだ !



ようやく戻ってきた … 。



私の感情 ……… !!


あなた
アハハハハハッ !

アハハハ …… ハハ … !



しんどくなるまで笑い続けた 。

苦しくなるまで 、

胸が痛くなるまで 、

涙があふれてくるまで 、

ひたすら笑った 。



もう 、

誰かに操られるような私じゃない 。

私はもう自由なの !

殺していた私も 、

殺していた感情も 、

全部全部 、 思い出せた …… !


あなた
見つけたよ 、

デンジ君 ………… !





これが私の 、





「 本物の感情 」





だ 。




プリ小説オーディオドラマ