拓実side
はぁ…
さっきから軽く500回は
溜息をついているだろう。
あれはもしかしたらライバルなのでは?
いやけど2年?
あの顔どこで見たっけ…
1時間授業びっちり
こんな事を考えている。
そんな事はどうでもいい。
あぁ…完全に好きだ…
今更悟った気持ちは
誰にも止められない。
授業なんて入って来ないし
ノートもとれないまま
ただ重いシャーペンだけ
持っている。
はぁ…
夢でもなんでもいいから
この気持ちをどうにかして欲しい
はぁぁ…
前よりも重い溜息をついた時。
「どうしたの?なんかあった?」
あなただ。
拓「んーん。別に」
強がっているけど
本音じゃない。
「…そっか」
そう言ってまた
綺麗で妖美な横顔を
僕に魅せる。
さっきより、
もっと胸が痛いよ。
「小悪魔な思い」
ねくすとぉ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!