そう背後から声を掛けてきたのは、黒と金が
基調のキッチリとしたスーツを身に纏うヒト。
そう言って、綺麗なお辞儀をした。
彼女は、SDのグランドールに抱き抱えら
れたまま、職員室前を後にして行った。
帰りの馬車の中、そう尋ねられた。
彼女は、ベルベット製のクッションに
顔を埋めて、SDの様子を伺っている。
その様子を見てSDは、とある異変に気付く。
何時も、彼女が持っている筈の
黒猫の縫いぐるみが無いのだ。
でも、それが理由だったとして、違和感が残る。
なぜなら、彼女は縫いぐるみを手放さないから。
彼女も、SDに言われてから気付いた様で
縫いぐるみが無いことに驚きを隠せ無い。
彼女はSDのスーツの裾を摘んで、一言。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。