吉本さんが帰ってから、パパはあまり喋らなくなった。いつも険しい顔してる。
昔みたいに、なにかに取り憑かれたように仕事をしてた。博多にいたときみたいに、現場に行って、ひたすら仕事してた。
ひかるのうちゃーがー
きこえちぇーくうよ
ぱらんぱらんぱらんばらん
ぱずるをまぜたらいけまちぇん
足、今回、ついでに金属外します?ってことになって、、、
結構大き目の手術になった。
術後はわりとスムーズだった。
夏もピークを過ぎたころ、一通の手紙がパパに届いた。
恭平くんの目にも止まるように、ダイニングのテーブルに置いておいた。
山下流美さんからだった。
薄い、水色の封筒だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!