夜風のあたる縁側のようなところで、1人空を眺める。
……もしかしたら、平和な生活はもう送れないかもしれないから…これから先、魔王討伐に向かう。それは過酷な旅になるだろうし、一筋縄ではいかない。
こうして、6人揃うのも__
…いや、考えないようにしよう。
今は深夜2:00。みんな寝静まっていたと思ってたけど…頑張り屋で努力家なまろはまだ起きていたみたいだ。何していたのかは知らないが。
「 早く寝ろよ 」
なんて眉間にシワを寄せるまろに、お前もな、なんて言い返す。
……魔王。
俺の大事な村を危険に晒した張本人。まろが一度封印してくれたからここ最近は平和であったが、魔王が普通に存在していた時は暴れまくって色んな人が被害にあった。
俺の爺ちゃんも、魔王のせいで世界で1番大事な家族を失った。
おとぎ話を作り上げたのにも関わらず、まろは自分のことを語ろうとしない。だから……こうして、旅に出る前に、まろの話も聞いてみたい。
この国を救ったヒーローだもん。
俺の隣に来て、同じように座り込む。息を大きく吸って吐いた後、まろはゆっくりと語り始めた。
まろが産まれたのは、噂通りヴァルシオン。ほとけっちと出会った街だ。でも…その頃のヴァルシオンは、平和だったみたい。この前のような事件とは程遠い、素敵な街だった。
まろは、普通の街で産まれた普通の子供だった。魔王討伐なんて考えたこともない、そこらにいる剣士の家の子みたいに小さい頃から剣を振っていたわけでもない。
ただただ、外で遊んで、美味しいものをたくさん食べて、よく寝る普通の子。
でも、まろが8歳になった頃。お母さんとお父さんは魔物によって殺された。森に出てから帰ってこなかった。まろは後から、両親が亡くなったのを知る。そして、魔王の仕業だということも。
許せなかった、大好きな両親を殺され、
普段の楽しい日常を奪われ、
それでものほほんと一日を過ごして普通に息を吸っていることが。
……その日、まろは魔王討伐に向けて歩き出した。
過去編。更新遅くなってすみません……
でもこれ完結までの道筋あるから全然書ける。更新頻度取り戻して頑張ります。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。