私が本心を伝えると、四人共、急に泣き始めて、
あくあ先輩は、私をもっと強く正面から抱き締め、
マリン先輩は、沢山泣いて、ハンカチで涙を拭いている。
みこ先輩は、お腹の辺りを抱き締めてくる
クロヱ先輩は、後ろから、私を抱き締めた。
気付けば、姉さんから裏切られた心の痛みは消えていた。
そう思っていた。
実際には、そんなことはなく、ずっと、心の奥で、隠していた。
皆と別れ、家に帰り、いつも通り、
リビングに降りるまでの道のりで、姉さんと出会った。
向こうは、一瞬動きを止め、直ぐに目を細め、
これが、始めて姉さんに言われた暴言であり、これからもっと増えてくる言葉だった。
そんな言葉はリビングにいるお姉ちゃんには聞こえている筈もなく、
そう言って笑い掛けてきた。
ヤバい、気まずい・・・
当然、お腹いっぱいになったのは嘘である。
まだお味噌汁しか飲んでいない。
残したご飯の全てをラップで包んで私は上に行く。
上に行き、私は、
そう思い、曲を作り始めた。
でも、そう簡単には行かなくって、
今までなら、間違いなく姉さんに相談していた。
そうだ、この時はまだ、姉さんのこと、すい姉と、呼んでいたのだった。
そう言い、私はリビングに行き、ソファに座っているお姉ちゃんに話し掛ける。
すると、お姉ちゃんは振り返り
そう言い、私に隣に座るよう促し、
驚いた。でも、私はそれは今はどっちでもいい。
この音、どれがいい?と聞く。
すると、お姉ちゃんは驚いて、
なるほど、参考になる。と思いながらメモを取り、取り終わると、私は立ち上がり、
そう言い、自分の部屋に戻ろうとしたら、後ろから声が投げ掛けられる。
もう、と、少し苛立ちを感じながらも振り返り、
この時から、私は姉さん呼びに変わった。
姉街side
!・・・まず間違いなく、何かあった。それは確定。
何故なら、あなたの名前のすいちゃんへの呼び方が、「姉さん」呼びになったから。
でも、これは勘だけど、深追いはできない。
そう言ったのを聞き届けると、あなたの名前は、自分の部屋に戻った。
どう聞き出そう・・・と私は思考する。
あなたの名前side
ピロン、と通知がした。
通知が鳴るのは、姉さんのチャンネルが更新された時と、TwitterでDMされた時だけ。
だから、私はスマホを見る。
すると、姉さんのチャンネルの動画が投稿されていた。
曲名は・・・「天球、彗星は夜を跨いで」か。
一度、聞いてみる。
聞き終わり、自分の胸に手を当てる。
何も、感じない。
この歌詞に、メロディに、歌声に込められた思いも、何も分からない。何も感じない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。