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第1話

「約束」 13×14
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2025/03/07 09:17 更新

アロハside




錆び付いた車輪が悲鳴をあげて、

明け方の駅へと僕らの体を運んでいく。

ペダルを漕ぐ背中に伝わる確かな温もり。



柏木悠
もうちょっとだね!あと少し!
髙松アロハ
ちょ、あんまり暴れんなよ笑
髙松アロハ
落ちるから!笑
柏木悠
はいはーい、笑



線路沿いの上り坂で、後ろから楽しそうな声。

注意したら空返事をする所も変わらないな 笑






それでも街はとっても静まり返っていて、

髙松アロハ
世界中に俺ら2人だけみたいだね。笑
柏木悠
…確かにね笑

と小さくこぼした。






同時に言葉をなくしたんだ…

坂を登りきった時。

迎えてくれた朝焼けが、あまりに綺麗すぎて。


柏木悠
…きれい、。
柏木悠
ふふっ笑



笑っただろ?

あの時、俺の後ろ側で。

振り返ることが出来なかった、

髙松アロハ
ッ、泣

俺は泣いてたから。




悠が買っている、駅の券売機で一番端の

一番高い切符が行く街を俺はよく知らない。



その中でも1番安い入場券だけを買って、

すぐに使うはずなのに大事にしまった。


柏木悠
切符くらい持っとけばいいのに笑
髙松アロハ
無くしたくないんだよ~、笑



改札を通ろうとした時。

一昨日買った鞄の紐が引っ掛かってしまった。

先に通っていた悠は振り返り、

目を合わせないで頷いた。





その姿に鞄なんてどうでも良くなって、

頑なに引っ掛かる紐を僕の手が外した。



プルルーー🔔



響くベルが最後を告げ、

君だけのドアが空く。


何万歩よりも距離のある1歩。

踏み出して君は言った



柏木悠
約束だよ、必ず。
柏木悠
いつか、また会おうねッ?



髙松アロハ
ッ、泣


その言葉には答えられず、

俯いたまま小さく手を振った。





間違いじゃない。

あの時、君は、君は…








急いでホームを出て、

線路沿いの下り坂を風よりも早く飛ばしていく。

君に追いつけと。


錆び付いた車輪が悲鳴をあげて、

精一杯電車と並ぶけれど、ゆっくり離されていく。







泣いてただろ?

あの時、ドアの向こう側で。

顔見なくても分かってたよ?

柏木悠
いつかッいつかッ


声が震えてたから。






髙松アロハ
は、約束だよッ!! 
髙松アロハ
いつかッ、また会お、泣


離れていく君に見えるように、

大きく手を振った。



街は賑わい出したけれど、

髙松アロハ
世界中に1人だけみたいだなッ、笑


と小さくこぼした。









錆び付いた車輪が悲鳴をあげて、


残された僕を運んでいく、微かな温もり。

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