魔理沙『それで…その本部とやらに行くにはその目隠しと耳栓をしないといけないと。』
昨日のうちに霊夢を奪還する筈が昨日の剣士に流石にやめろ、絶対死ぬぞと言われ、場所は変わって藤の家ってところらしいんだがそこで一泊過ごして朝になり、今に至る。
隠「はい、ですのでお願いします。」
魔理沙『おう、分かった。』
隠「では、水柱様もお願いします。」
冨岡「嗚呼」
そんな感じで私と昨日の剣士は鬼殺隊の本部に向かった。
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魔理沙『ほへぇ、、とても綺麗だな。』
私は来てそうそう庭の景色に見とれていた。そんな場合ではないと分かってはいた。だけど少し、現実から目御逸らしたかった。そんな時、表面上は穏やかな笑顔をする女の人に話しかけられた。
しのぶ「あら、あなたがもしかして…」
魔理沙『私がどうかしたか?』
しのぶ「もしかして鬼舞辻と遭遇したのはあなたなのかと思って…」
魔理沙『そういう事か…、嗚呼なんかそうっぽいな。』
冨岡「…」
なんか、目立ってるっぽいな…、私以外に何人かいたが全員が私を見ていた。そんな鬼舞辻無惨ってのは目の敵にされているのか。
実弥「まさかまた鬼舞辻に遭遇する奴が出てくるなんてなァ…しかも今回は鬼殺隊じゃないと来た。」
魔理沙『なんでそんな嫌味みたく言われないといけないんだよ…』
またってことは…ここ最近私以外にも遭遇した奴がいるのか。
しのぶ「こら、不死川さん…冨岡さんの話によれば親友を鬼舞辻により連れ去られしかも目の前で鬼にされていたとのことですし精神的ダメージも大きいでしょうしそんな言い方は…」
実弥「確かにな、、悪かったよ。」
確かにダメージはあった。だけど気を使われるほど私は弱っちゃいない…と思う、だからこそ私は強がって下記のことを述べる。
魔理沙『いや、いいんだ…。お前らは鬼を憎んでるから鬼を殺す仕事をしてるんだろ?鬼に無理矢理されていたとはいえ鬼の親友を殺したくないのに探し出そうとしてる私に疑念を抱いてるのは分かる。』
ついつい早口でそう言ってしまった。恐らく不自然だっただろう。
実弥「………こないだ人を喰らわない鬼が居ることは分かった。だがお前が探している奴は極めて人を喰らっている可能性が高い。だからこそ聞く。もし、お前は人喰いをした親友に会ったらどうする… ? 」
痛いところを突かれた。
思考が止まった。
実弥「お前は冨岡によればこの後鬼殺隊に入るつもりなんだろ。鬼殺隊は鬼を滅する組織だ。その様子、ただ鬼と化した親友を説得しに来たのか?鬼殺隊はそういう組織じゃない。」
しのぶ「不死川さん… ! 今はいいでしょう…そこまで言う必要は…」
「「御館様の御成です。」」
何も言えないでいると十代になるかならないかの少女らしき声が二つ重なって聞こえた。その瞬間此処に居る私、二つの声の少女以外は同じ座り方をし、下を向いていた。
魔理沙『っうわ!!』
不死川とさっき言われていた男に頭を地面に叩きつけられるところだった。間一髪で避けた。
実弥「… !? 」
御館様「実弥、落ち着いて。」
誰…?いやいやソイツがそんなんで聞くわけ…
実弥「御意…」
聞いたああああああああぁぁぁ!
御館様「今日もみんなに会えたことをとても嬉しく思うよ。今日みんなに集まって貰ったのは他でもない…どうやらこの子が鬼舞辻に遭遇したそうなんだ。もし、辛くなければ当時のこと詳しく話して貰えないかな。」
なんとなくこうなる事は分かっていた。まあ言うしかないのだろう。一応幻想郷のことは伏せておこう…
魔理沙『嗚呼…、あと私は魔理沙だ。あれは家に帰って窓を見たら炎が博麗神社から出ていたんだ。そこには今回連れ去られた霊夢が居たんだ。ちなみに霊夢は博麗の巫女って言ってすっごく強いんだ。それで私は居ても立っても居られなくなって博麗神社にいったんだが…既に霊夢は負けたあとで…それで気づいたら…鬼舞辻無惨と六つ目の大男が居たんだ……』
その後、何を話したのか途中は覚えていない。ついつい感情的になって自分でも何を言ってるか分からなかったのは覚えている。
御館様「ありがとう、辛かったね。立て続けに悪いんだけど、君が使っていた魔法…はどういうものなのかな。霊夢も同じようなものを使うのかい?」
そこを聞くか…なんて言おう。まあこれくらいなら大丈夫か。
魔理沙『精密には違うが霊夢も似たようなのを使うぞ。魔法は…見たまんまだ。魔力を使用して使っている。霊夢の場合は霊力だな。』
御館様「なるほどね、…」
不死川「御館様、失礼ながらこの者について聞きたいことがあります。」
御館様「なんだい…?」
不死川『何故、鬼舞辻、上弦と遭遇して生きているのですか。こないだ遭遇した隊士は街中に居たからそこまでの騒ぎに出来なかったということで片付けられるが、この者に当時の状況を聞くに人は周りに居ませんでした。何故彼女は生きているのですか…? 』
確かに後から考えれば疑問だった。
まあいい、博麗の巫女は手に入った。此処にもう用はない。
アイツは確かにそう言っていた…!!
だからこそ私は脅威にはならない…だから殺さなかった…ということか…?
魔理沙『…そうかアイツはきっと博麗の巫女を狙っていたんだ。ということはその能力…強さを知っていた… ? 』
しのぶ「…!!鬼舞辻は強さを求めている…そういう事ですか…」
いや待て、だとしたら何処でアイツは知った… ? 幻想郷のことを知る方法は限られている…。そういえばなんでここの屋敷はこんなにも昔風なんだ…、幻想郷なら分かるが…
魔理沙『…今は何年だ?』
一応聞いてみた。私が知る外の世界ならば…令…
しのぶ「大正n…」
魔理沙『大正…?!』
嘘だろ…いや、紫が解決して欲しい異変はそれ(時空)だったのか…!! だとしたらこの異変の主犯も霊夢のことを知っていた鬼舞辻無惨…
しのぶ「どうかしましたか?」
しまった、怪しまれた。流石にこのことを言う訳にはいかない。
魔理沙『いいやなんでもない…』
実弥「おい、その博麗の巫女ってなんだ… ? 鬼舞辻が狙うほどの強さ…何か秘密が…?」
やばいやばい…なんて言おう。しかもいいとこつきやがって!誤魔化せれないよな…多分ただの巫女って言っても信じない気がする。
その瞬間ギュイーッていう音とともにスキマが開いた。
紫「それについては私から説明するわ。」
魔理沙『紫…!!』
ガチャ
その場に居た剣士は戦闘態勢に入る。
冨岡「人間じゃないし、鬼でもない。何者だ。」
御館様「…君は…」
紫「それについても話してあげる。覚悟しなさい、…そう簡単なお話じゃないわよ。特にあなたたちにとっては…ね。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。