第12話

本心
66
2025/12/26 13:45 更新
あなた
…あのっ、何でそんな気軽に私と仲良くできるんですか!?
あなた
私が言うのも何ですけど、皆さん警戒心がなさ過ぎるというか…
ぐいぐい距離を詰めてくる2人の圧に耐えきれず、気づけば疑問を叫んでいた。
ショッピ
いいじゃないですか、さっきゾムさんにはタメ口でしたよね?
チーノ
そうそう、だから俺らもタメ口で!多分俺らのが年下だし!
あなた
だからって…
ゾム
まあええんやない?本人が言ってるんやし!
ますます詰めてくる2人。
2人に乗って笑っているゾム。
真面目に仕事してるしんぺい神さん。
…逃げ道が、なくなった。
あなた
…じゃあ
意を決して口を開く。
あなた
努力は、します…
一瞬の静寂のあと。
チーノ
努力て。
ショッピ
真面目っすね、あなたさん。
けらけらと笑う2人を見て、少しほっとした。
ゾム
まあ、ゆっくり慣れてけばええやん。
ゾムはそう言って、私の方を見る。
ゾム
ここにいる間は仲間やから。…まあ、疑うやつもおるけどな。
最後の一言に、思わず苦笑した。
あなた
それぐらいわかってるよ。
それでも。
ここでなら、
この人たちとなら。
なんだか、少しずつ前に進めそうな気がした。

ショッピ
じゃあ、俺らは戻りますね。お2人共お大事に。
チーノ
また時間あったら来ますね!
2人の背中を見送った後、ゾムが話しかけてきた。
ゾム
良い奴やったろ、あいつら。
あなた
…そうだね。
あなた
すごく、良い人たちだった。
そう言うと、ゾムは満足そうににぱっと笑った。
〜チーノside〜
軍部の古い廊下に、かつかつと足音が響く。
俺の一歩前を歩いているショッピに、声を掛けた。
チーノ
なー、ショッピ?
ショッピ
ん?何や?
チーノ
…正直、アイツのこと、どう思う?
アイツとは、無論、あなたのことだ。
ロボロが拾ってきた記憶喪失の女。信じる信じないは人によるようだが、少なくとも俺は全く信用してない。
それはショッピも同じだと思っていたので、アイツと話そうとしたのには心底驚いたが、ショッピなりの考えがあるのだろうと思って話は合わせておいた。
ショッピ
いや、どうと言われても…
ショッピ
別に普通の人やなと思ったけど。
チーノ
あ、そうやなくて。記憶喪失の話。信じてんのかどうか。
再び聞くと、少しだけ考える素振りをした後すぐに答えた。
ショッピ
まあ…信用寄りではある。
チーノ
…え、ほんまに?
ショッピ
そんな驚くか?さっきも言ったやろ、敵って証拠があるわけやないし。
特に驚いた様子もなく、飄々と答えた。
チーノ
じゃああなたと話したいって言っとったの、本心やったん?
ショッピ
そらそうやろ。
チーノ
仲いい振りしといて情報吐かせようとしたとかじゃなかったん?
嘘とは思えないショッピの態度に驚いていくつか質問をしていると、ショッピは呆れたように笑う。
ショッピ
記憶喪失ならそんなん無駄やろ。それが嘘かもしれへんって疑い始めたのは俺やけど、しんぺいさんが言っとったし、俺は信じとるで。
チーノ
ふーん…
確かにぺ神が言うなら信用しても良いのか…?
…いや、常習犯で慣れとるだけかもしれへんしな。
ショッピ
というかチーノは信じてへんのか。
チーノ
まあな。ショッピの言う事もわかるけど、やっぱり記憶喪失なんて都合の良いことないと思うねん。
ショッピ
…せやね。どうなんやろ、わからへんわ。
チーノ
…ショッピ、結構ちゃんと考えとったんやな。
チーノ
正直、「見た目がロリっぽいから」とか言うのかと思っとったんけど。
ショッピ
あー、それもある。
チーノ
え?

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