第10話

【たぶん、もう友達じゃない。】?
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2026/06/07 09:29 更新





今回の甘々度:☆☆★★★

























最初は、本当に普通だった。



ナイトレイブンカレッジなんていう、



問題児しかいないような場所に放り込まれて。



毎日トラブルに巻き込まれて。



その中で唯一俺と巻き込まれた仲間一人。



それだけ。



別に特別じゃなかった。



……いや。



今思えば、その時から特別だったのかもしれない。


























(なまえ)
あなた
雄剣ー!






聞き慣れた声がする。



振り返ると、向こうから手を振りながら



駆け寄ってくる姿が見えた。



思わず笑う。







円満雄剣
円満雄剣
あんまり走るなって
(なまえ)
あなた
大丈夫大丈夫!







全然大丈夫そうじゃない。



案の定、足をもつれさせる。






(なまえ)
あなた
うわっ
円満雄剣
円満雄剣
だから言っただろ!?








慌てて腕を掴む。



転ぶ寸前で体勢を支えると、ほっと息が漏れた。






円満雄剣
円満雄剣
……危なかった
(なまえ)
あなた
えへへ
円満雄剣
円満雄剣
笑い事じゃない







本当に。



コイツは放っておけない。






(なまえ)
あなた
そういえばさ







中庭のベンチに並んで座る。



昼休み。



穏やかな時間。






(なまえ)
あなた
今日の授業やばくなかった?
円満雄剣
円満雄剣
…えと、魔法薬学の時か?
(なまえ)
あなた
そうそう!







楽しそうに話す声を聞きながら、相槌を打つ。



たぶん。



周りから見れば普通の光景なんだと思う。



友達同士。



それだけ。



でも。



最近は違った。





話しているだけで楽しい。



笑っている顔を見るだけで安心する。



目が合うと少しだけ緊張する。



……友達相手にこんなこと思うか?



答えはわかっていた。





ずっと前から。







(なまえ)
あなた
雄剣?







声に我に返る。






(なまえ)
あなた
聞いてた?
円満雄剣
円満雄剣
すまん、ちょっと考え事してた
(なまえ)
あなた
珍しいね
円満雄剣
円満雄剣
そうかもな







苦笑する。



本当は。



考えていたのは目の前の人のことだった。















































放課後。



オンボロ寮へ戻ろうとした時。



ふと校舎の窓から外が見えた。






円満雄剣
円満雄剣
あれ?







中庭の隅。



見慣れた姿がある。



けれど。



一人じゃなかった。



男子生徒と話している。



楽しそうに笑っている。



その光景を見た瞬間。



胸の奥が妙にざわついた。







円満雄剣
円満雄剣
……何だよ








思わず呟く。



別におかしいことじゃない。



友達と話しているだけ。



それなのに。



なんだか面白くなかった。


































その日の帰り道。



偶然を装うことすらできなかった。







(なまえ)
あなた
あ、雄剣!







見つかった。



向こうが先だった。






(なまえ)
あなた
今帰り?
円満雄剣
円満雄剣
あぁ






自然と隣を歩く。



いつも通り。



……のはずなのに。



今日は妙に落ち着かない。






円満雄剣
円満雄剣
そういえば、
昼の後誰かと話してたか?







つい聞いてしまった。






(なまえ)
あなた
あー、あれ?






即座に思い出したらしい。






(なまえ)
あなた
クラスメイトだよ
円満雄剣
円満雄剣
ふーん






短く返す。



すると。



不思議そうな顔でこちらを見る。







(なまえ)
あなた
どうしたの?
円満雄剣
円満雄剣
何がだ?
(なまえ)
あなた
なんか気にしてる?







ギクリとした。



鋭い。



いや、たぶん俺がわかりやすすぎるだけか。



少しの沈黙。



夕焼けが道を赤く染めている。



その中で。



ぽつりと声が落ちた。







円満雄剣
円満雄剣
……気にしてた
(なまえ)
あなた
え?
円満雄剣
円満雄剣
少しだけ…//







正直に言った瞬間、自分でも驚いた。



こんなこと言うつもりじゃなかったのに。



でも。



一度口に出したら止まらなかった。








円満雄剣
円満雄剣
他の奴と楽しそうにしてるの見たら、
なんか変な気分になったんだ
(なまえ)
あなた
雄剣……
円満雄剣
円満雄剣
俺、自分でも
よくわかってなかったんだが…







足を止める。



相手も立ち止まった。



夕陽が瞳に映る。



きれいだと思った。



そして。



その瞬間に確信する。








円満雄剣
円満雄剣
ああ、そうかって思った







胸の奥にあった答え。



ずっと認めてなかっただけ。







円満雄剣
円満雄剣
俺、お前のこと好きなんだ









言ってしまった。



顔が熱い。



たぶん今、めちゃくちゃ赤い。



でも。



不思議と後悔はなかった。











しばらく沈黙が続く。



やっぱり急すぎたか。



そう思った時。









(なまえ)
あなた
 ……よかった








小さな声が聞こえた。







円満雄剣
円満雄剣
え?
(なまえ)
あなた
あなたの一人称も好き







一瞬。



思考が止まる。







円満雄剣
円満雄剣
……ホントか?
(なまえ)
あなた
うん///







照れたように笑う顔。



その笑顔を見た瞬間。



胸の奥がいっぱいになる。



嬉しい。



たぶん今までで一番。








円満雄剣
円満雄剣
……帰ろう、//








少し照れ隠しみたいに言う。



すると。



隣から小さな笑い声がした。







(なまえ)
あなた
うん//







その返事が妙に嬉しくて。



並んで歩き出す。



触れそうで触れない距離。



だけど。



さっきまでとは違う。



これからはきっと。



少しずつ。



もっと近くなっていく。



そんな予感がした。














【たぶん、もう友達じゃない。】Yuken Enma











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