シャワーを浴びながら、少しだけ安心していた
──でも
浴室の外に、微かに声がする
笑い声
聞き慣れた、あの軽い調子
心臓が一瞬、嫌な音を立てる
タオルで髪を拭きながらドアを開けた瞬間
視界に入ったのは3人_____
窓辺に寄りかかるヒソカ
変わらず立っているイルミ
そして_____
ソファに腰掛けるクロロ
でも修行中にヒソカの話をしたけど
知り合いだった雰囲気ではなかった
だとしたら私に嘘をついてたってこと?
沈黙が続く
ヒソカがくすっと笑う
その笑顔に、胸がざわつく
クロロが本を閉じた
低く、穏やかな声
クロロが真剣な眼差しで見つめてくる
クロロがあなたの下の名前の手をにぎる
返事に困っていると
ヒソカがゆっくり近づく
その言葉で理解する
お父さんの動かない口座の理由
不自然な静けさ
ヒソカは楽しそうに続ける
息が止まる
そう言った声は震えていた
静かな声
否定できない
それは事実
クロロが立ち上がる
その言葉は優しいのに冷たい
部屋のドアは閉まっている
カードキーはテーブルの上
窓は開かない
外は夜
逃げ道がない
物理的というより
精神的に
クロロが最後に告げる
でも、出れば一人
残れば三人と居られる
震えていた手が止まる
ゆっくりあなたの下の名前はカードキーをテーブルに置く
その瞬間
ヒソカの目が細くなり
イルミの視線がわずかに柔らぎ
クロロは静かに微笑む
自由を手放した代わりに
彼らを選んだ













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。