累さんに寮舎まで送ってもらった後、
早々に寝支度を終えた私は、
疲れた体をベッドに投げ出した。
…
…
…
…
…
…
これまでに見てきた一般寮生たちの
ライカくんへの態度を思い出し、
やるせない思いが胸に込み上げる。
右手の薬指に光る指輪を眺めながら、
もぞもぞと寝返りを打つ。
ベッドから体を起こした私は、
部屋の電気を明るくし、
パジャマの上からカーディガンを羽織った。

ーーーーーー
寮舎を出ると、煮詰まった頭をなだめる
ように、夜風が私の髪を撫でる。
胸につかえた不安を誤魔化したくて、
私はゆっくりと息を吐きながら、
星のない東京の夜空を見上げた。
初めて見る奇妙な現象に誘われ、
私は、光の方角へと歩き出す。
目の前に現れた丘の上には、淡い輝きを
纏った、巨大な樹木がそびえ立っていた。
ゆっくりと丘を登っていると、
巨木の下に、人影が揺れるのが見える。
すると次の瞬間、人影がこちらに向かって
猛スピードで近づいてきた。
ドン
全身に、どん、と衝撃が走った直後、
甘い花の香りが、ふわりと鼻をかすった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。