第334話

322話
681
2026/05/01 07:59 更新
寮長、この周辺での聞き込みが
終わりました
大我
………
このオークションは出品者も全員匿名と
なっており、例の画面も出所は不明
しかし、海上輸送にて海外から日本に
運び込まれたとの証言もあるようです
大我
………
寮長、聞いていますか!?
大我
聞いてる聞いてる。
おいバーテン、これお代わり
貴方はもう少し、シノストラ代表としての
自覚をお持ちになったらいかがですか?
こんな時に、
呑気に休まれている場合ではないでしょう
大我
いちいちうるせぇな……
ルルみて〜なこと言ってんじゃねぇよ
今の発言は心外ですね。私と副寮長を
一緒くたにしないでいただきたい
私はあくまで、事実に基づき客観的意見を
申し上げているまで。
直ちに発言の撤回をお願いします
バーテンダー『お待たせいたしました。
       マティーニです』
大我
グラッツェ〜
……っ!
大我
あ、おいお前!それ俺んだぞ!?
んぐ……んぐ……ぷはっ!
コトン🥂
ご馳走座でした。お会計はこれで
バーテンダー『は、はあ…2万円、頂戴いたします…』
大我
お前さ〜
釣りはいりません
その代わり、インペリアル・オークション
について、何か変わったことを耳にして
いれば教えていただきたいのですが
バーテンダー『変わったこと、ですか…?うーん…』
どんな些細なことでも構いません。
一見結びつきのない情報でも、
推測の過程で重要な証左となり得る場合
もありますので
バーテンダー『ああ、そういえば…オークション参加者
       の中に、多数の行方不明者が出ている
       とか……』
なんですって?それは本当ですか?
バーテンダー『はい。あくまで小耳にはさんだ程度
       ですが……』
大我
………
まさか、職員の他にも行方不明者が…?
寮長。今の証言が真実ならば、
これは由々しき事態です
大我
………
ーーーーーー
ロミオ
まぁ、ちょろいもんだ
ロミオさんは満足げに、
手にした一枚の絵画を眺めている。
あの後、交渉の末に男から9割引もの格安で
買い取った、『血涙の女』の贋物だ。
〇〇
💭ロミオさんがこれを買い取る代わりに
偽物ってことは不問したっぽいけど…
〇〇
💭任務中に買い物…
ロミオ
なかなかのB・Tだったね。
馬鹿な男は扱いやすくていいよ
〇〇
偽物を本物だと思い込んで売るのって
本当にあるんですね…
〇〇
今みたいな人が、ロミオさんが言ってた
『物の価値がわからない人』ってこと
なんですか?
ロミオ
ふん。あれは一流品をそれとわからず、
安値で売りさばいちまった間抜けさ
〇〇
ロミオ
これは紛れもなく本物だよ。
元々の値段でも破格すぎたくらいだ
ロミオ
そんなずれた値段で売るようなやつが、
正しい審美眼を持ってるわけないからねぇ
ロミオ
偽物だと吹き込んでやれば、
もっと安値で買い叩けると思ったってわけ
ロミオ
まさか、ここまで上手くいくとは
思ってなかったけどねぇ
ロミオさんは手にした絵画を見つめると、
意地の悪い表情で口角をあげた。
〇〇
それ詐欺じゃ…
ロミオさんは私の額に軽くデコピンをした。
ロミオ
馬鹿言ってんじゃないよ。
いいかい?本当の商売っていうのはねぇ
ロミオ
まずはこうやって『確かなもん』を、
出来る限り安く買い叩いて集める
ロミオ
それを金が使いたくて仕方ない成金どもに
高値で売り捌いてやるのがセオリーだ
ロミオ
そうすりゃ、
金なんてあっという間に作れる
〇〇
な、なるほど…
ロミオ
『悪鬼の仮面』の開始価格は……
2000万か
ロミオ
明日までには余裕そうだね
静かに呟いて、ロミオさんは持っていた
アタッシュケースを手際よく開ける。
すると、そこに『血涙の女』を押し込み、
力づくで蓋を閉じてしまった。
〇〇
え?アタッシュケースより大きいのに…
ロミオ
いちいちうっさい!これは回収したブツを
しまっておくための『共通怪具』だよ!
ロミオ
まぁ共通って言っても、
ほとんど俺専用みたいなもんだけど
ロミオさんはアタッシュケースを抱き上げ、
まるで赤子を愛でるように、そっと撫でる。
〇〇
そんな便利なのがあるんですね…
ロミオ
さぁて、早速このブツを売り捌きに
行くよ!明日までに残りの額を用意しなく
ちゃねぇ!
〇〇
わかりました、頑張ってください
ロミオ
はぁ!?なに他人事みたいに言ってんだ!
ロミオ
あんたもボケっと突っ立ってないで、
めぼしいもんがないか血眼で探すんだよ!
〇〇
は、はい
ビシッと飛ばされたその指示には、
もはや選択肢など、残されていなかった。

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