____にしても…
合わないなぁ。
リエーフは毎回タイミングがバラバラで、研磨くんのトスと合わせることができない。
聞いた話だと、リエーフは高校からバレー始めたからまだ素人らしい。
あの身長とスピードで、技術も身につけたら……
厄介な相手になる…
でもレシーブやサーブは全然ダメ。
ブロックは囮に引っかかるし……
黒尾さんや夜久さんに怒鳴られるリエーフを見ると、思わず笑ってしまう。
リエーフ「あなたっ、笑うなよぉぉ…!」
あなた「わっ…ごめん」
バレてた……。
ノートに少し書き込んだ後、目の前が暗くなったことに気づいて前を向くと、リエーフが立っていた。
あなた「おわっ…なに?!」
大きいだけに迫力がある。
リエーフの顔見ようとすると首痛くなるんだよなぁ……
疲れた顔でバッと広げられた長い腕に驚いていると、その腕に捕まえられた。
あなた「リエーフ…?ど、したの……?」
ぎゅう……
抱きしめる力が強くなったかと思うと、ボソボソとリエーフが呟いた。
リエーフ「………でん…て……」
あなた「……?」
でんて?
リエーフ「充電させて…」
あなた「充電…って私じゃなくて水分補給とかのほうがいいんじゃ………」
リエーフ「やだ……あなたじゃないと、元気でない…」
一向に離してくれないリエーフに戸惑っていると、いつの間にか肩にかかっていた重みが消えた。
黒尾「何やってんだリエーフ!」
夜久「リエーフ!サボんじゃねえ!」
助かった………?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。