第14話

計画
584
2021/01/31 03:55


菅原side










ある日の夜、勇気を振り絞ってあなたにLI○Eでデートに誘うと、即既読が付いた。








(うおぉ、まじか…
返事待っててくれてた、とか?)







情けないことに、俺は数分前までのやりとりを一度切り上げ、どうデートに誘うかを悩んでいた。







_ピロンッ









スマホが軽快な音を立てる。







覗き込むと。








『私もスガ先輩と二人で行きたいと思ってたんです!デートですね♡』





菅原孝支
菅原孝支
…嘘だろぉ⁉︎



あのあなたから!



ハート⁉︎



しかも『二人で』って…




普段は俺が誘うと、皆も誘いましょう!なんて満面の笑みで言ってくるあなたが⁉︎




(…やっと意識してくれた、とか?)




そんな考えが頭に浮かぶが、振り払う。



菅原孝支
菅原孝支
あなただぞ、そんな訳ないべ…



言っていて虚しくなってくるが、事実だ。




でももし本当だったら…




込み上げてくる気持ちが抑えられない。


菅原孝支
菅原孝支
ひひッ


思わずニヤニヤしてしまい、我にかえる。





(俺の部屋なんだから誰もいないっての)




本当にあなたのことになると、俺は浮つく。



あなたの言葉一つ一つで喜んだり、悲しんだり、幸せになれたり。




(ああ、俺_)



菅原孝支
菅原孝支
本ッ当にあなたに恋してんだなぁ…
澤村大地
澤村大地
_相変わらずだな、スガ
菅原孝支
菅原孝支
あはは…って、大地⁉︎
何でいるんだよ⁉︎
澤村大地
澤村大地
何って、普通にスガのお母さんに入れてもらったんだよ…
今日勉強教えろって言ったのスガだろ?
菅原孝支
菅原孝支
…あ



(そうだった…!)





すっかり忘れていた。



澤村大地
澤村大地
…その様子だと、いいことあったな?
菅原孝支
菅原孝支
へへッ、大地聞いてくれッ!



事の顛末を話すと、大地はニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んできた。


澤村大地
澤村大地
良かったなぁ、スガ。
顔赤いぞー
菅原孝支
菅原孝支
ばッ、そういうこと言うなよ大地ッ!
澤村大地
澤村大地
はは、ごめん。
で、どこ行くんだ?
菅原孝支
菅原孝支
ショッピングモール。
ちょっと遠いけど、新しい所出来ただろ?
そこ行きたいんだよな!
澤村大地
澤村大地
おぉ、完璧デートコースだな…
菅原孝支
菅原孝支
ちゃんと調べてるから、絶対楽しませんべ!




その日は結局、勉強の話は俺も大地も忘れて、母さんに声を掛けられるまであなたとのデートの話をしていたのだった。←

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