第4話

♣︎3
14
2026/03/22 11:17 更新
続き
タクミ
タクミ
だから、すっごくいい異能だね、ツキトの異能!
ツキト
ツキト
……
タクミ
タクミ
?あ、あれ?ごめん、なんか気を悪くしちゃった?
ツキト
ツキト
いえ、そうではなく…
いつの間にか、ツキトの瞳からは涙が溢れていた。
ツキト
ツキト
異能を褒められることって、本名を呼んでもらえることって…こんなに、嬉しいことだなんて知らなくて…
ツユキ
ツユキ
…ほら、涙拭いて!早く早く!
ツキト
ツキト
え?
ツキトはなぜ、涙を拭くことを急かされているのかわからなかった。
サクナ
サクナ
…ツユキの言う通り。これから、泣いてる顔をタクミに見せちゃダメだよ
ツキト
ツキト
えっ?あ、はい…
タクミ
タクミ
…っ…そっか…
…ごめん、ちょっと俺、自分の部屋戻るわ
ツキト
ツキト
…あの、なんでタクミさんに泣いてる顔見せちゃダメなんですか?
サクナ
サクナ
…ちょっと色々あったみたいでね。
タクミ、泣いてる顔の人見るの苦手なんだ。それがどう言う理由で泣いているのかとかは関係なく。
ユマ
ユマ
…こういう時は…
ソウマ
ソウマ
よし、ツユキ、ツキト。ホワイトチョコを買ってこい
ツユキ
ツユキ
俺⁉︎
ツキト
ツキト
え?なんでホワイトチョコ…?
ソウマ
ソウマ
あいつタクミの好物だからだ
名前:ツキト〔偽名:ハヅキ〕
異能名:『地獄耳』
小さい音、発生源が遠い音等を聞き取る。
腰が引けている。
店に着いたツユキは、ホワイトチョコをガバッと複数個取った。
ツキト
ツキト
(…えっ、そんなに?)
ツユキ
ツユキ
量が大事なんだってよ
ツキト
ツキト
っ…
ツユキ
ツユキ
?ツキト?
店を出て帰る途中、ツキトが突然、耳を塞いでしゃがみ込む。
直後、バイクの集団が目の前の道路を通っていった。
ツユキ
ツユキ
(…ああ、なるほど…)
ツキト、ちょっと待ってて。すぐ戻る
ツキト
ツキト
えっ?
数分後。ツユキが買ってきたのは、耳栓だった。
ツキト
ツキト
耳栓…?
ツユキ
ツユキ
…俺たちにとっては聞こえないような小さい音でも、ツキトにはしっかり聞こえてるんだろ?じゃ、さっきみたいな俺たちにとっての『大きい音』は、ツキトには『爆音』みたいに聞こえる…
ツキト
ツキト
…そうです
ツユキ
ツユキ
なら、そういう時はこれ使えよ。俺たちも、最初は自分の異能のくせに、うまくコントロールできなかった。
ツキト
ツキト
そうなんですか?
ツユキ
ツユキ
うん。だから、うまくコントロールできるようになるまでは、ヤバい時は使って。
ツキト
ツキト
…ありがとう…ございます…
ツユキ
ツユキ
どーいたしまして
居場所に帰ってきたツキトは、『自分で渡してこい』と言われ、タクミの部屋の前にいた。
ツキト
ツキト
…えーと…
ツキトはしばらく右往左往していたが、覚悟を決めて扉をノックした。
タクミ
タクミ
…どしたの?
ツキト
ツキト
えっと…タクミさん、その…さっきはすみませんでした。これ…
タクミ
タクミ
…!
ホワイトチョコ⁉︎
ツキト
ツキト
え、あ、はい
タクミ
タクミ
いやあ、こっちこそごめんねー、部屋に逃げたりして。後5分くらいしたら戻るから、リビング戻ってていいよ!
ツキト
ツキト
は、はい
(機嫌治った…?)
サクナ
サクナ
どう?あの人タクミ、笑顔になったでしょ
ツキト
ツキト
は、はい
サクナ
サクナ
お兄さんポジションだけど、どこか抜けてるんだよね、あの人
ツユキ
ツユキ
あーゆーとこだけは子どもだよ、ほんと、昔っから
ソウマ
ソウマ
お前の方がガキくさいくせに何をいう
ツユキ
ツユキ
酷くね⁉︎

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