続き

だから、すっごくいい異能だね、ツキトの異能!

……

?あ、あれ?ごめん、なんか気を悪くしちゃった?

いえ、そうではなく…
いつの間にか、ツキトの瞳からは涙が溢れていた。

異能を褒められることって、本名を呼んでもらえることって…こんなに、嬉しいことだなんて知らなくて…

…ほら、涙拭いて!早く早く!

え?
ツキトはなぜ、涙を拭くことを急かされているのかわからなかった。

…ツユキの言う通り。これから、泣いてる顔をタクミに見せちゃダメだよ

えっ?あ、はい…

…っ…そっか…
…ごめん、ちょっと俺、自分の部屋戻るわ

…あの、なんでタクミさんに泣いてる顔見せちゃダメなんですか?

…ちょっと色々あったみたいでね。
タクミ、泣いてる顔の人見るの苦手なんだ。それがどう言う理由で泣いているのかとかは関係なく。

…こういう時は…

よし、ツユキ、ツキト。ホワイトチョコを買ってこい

俺⁉︎

え?なんでホワイトチョコ…?

あいつの好物だからだ

名前:ツキト〔偽名:ハヅキ〕
異能名:『地獄耳』
小さい音、発生源が遠い音等を聞き取る。
腰が引けている。
店に着いたツユキは、ホワイトチョコをガバッと複数個取った。

(…えっ、そんなに?)

量が大事なんだってよ

っ…

?ツキト?
店を出て帰る途中、ツキトが突然、耳を塞いでしゃがみ込む。
直後、バイクの集団が目の前の道路を通っていった。

(…ああ、なるほど…)
ツキト、ちょっと待ってて。すぐ戻る

えっ?
数分後。ツユキが買ってきたのは、耳栓だった。

耳栓…?

…俺たちにとっては聞こえないような小さい音でも、ツキトにはしっかり聞こえてるんだろ?じゃ、さっきみたいな俺たちにとっての『大きい音』は、ツキトには『爆音』みたいに聞こえる…

…そうです

なら、そういう時はこれ使えよ。俺たちも、最初は自分の異能のくせに、うまくコントロールできなかった。

そうなんですか?

うん。だから、うまくコントロールできるようになるまでは、ヤバい時は使って。

…ありがとう…ございます…

どーいたしまして
居場所に帰ってきたツキトは、『自分で渡してこい』と言われ、タクミの部屋の前にいた。

…えーと…
ツキトはしばらく右往左往していたが、覚悟を決めて扉をノックした。

…どしたの?

えっと…タクミさん、その…さっきはすみませんでした。これ…

…!
ホワイトチョコ⁉︎

え、あ、はい

いやあ、こっちこそごめんねー、部屋に逃げたりして。後5分くらいしたら戻るから、リビング戻ってていいよ!

は、はい
(機嫌治った…?)

どう?あの人、笑顔になったでしょ

は、はい

お兄さんポジションだけど、どこか抜けてるんだよね、あの人

あーゆーとこだけは子どもだよ、ほんと、昔っから

お前の方がガキくさいくせに何をいう

酷くね⁉︎
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編集部コメント
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