第3話

03。
201
2025/12/02 11:32 更新

















IAM side








今日は珍しく午前オフ

シューズもボロボロになってきたから

買い換えようかなと思って出かける準備をする

まだ誰も起きてない宿舎には静寂が響いてる

玄関で服を整えていると聞き慣れた声が僕を訪ねた
k
IAM どっか出かけるの?
あなた
シューズがもうボロボロなので…
新しいのを買いに行ってきます
k
そう 気をつけてね
あなた
はい、行ってきます!





Kひょん、最年長で頼りがいがあり

弟思いの彼は真っ直ぐに愛情を注いでくれる

自身もデビューできるかも定かでない状況なのに

僕や周りの練習生の相談を快く受けて

嫌な顔せず一緒に解決法を探してくれる


Kひょんはアーティストとしても人としても

とても尊敬できる僕の大好きな人の1人だ









宿舎を出ると暑い日差しが

青々とした木々のすき間から僕を照らす

まだ朝だというのに照りつけられた地面には

陽炎が揺らいでいた

" 俺等の季節だ " と言わんばかりに

騒ぐセミの声を聴きながら靴屋に向かい歩き始めた




靴屋に着くと展示されている靴には目もくれず

目当てのシューズをさっと取り会計を済ませる

店にいた時間は10分もないと思う


そもそも僕は物欲がない上に

1つ気に入ったものは飽きるまで永遠に使い続ける性分で

お陰で余計なものを買うといった経験はない



そそくさと店を出て会社へ向かう

なんの変哲もないいつもの街を眺めていると

大きな十字路で重そうな荷物をもっている

お年の召した婦人がいた

会社へはこの十字路を真っ直ぐ行くけど

御婦人が大変そうなのにいてもたってもいられなくて

僕は気がつけば声をかけた

あなた
あの!!
あなた
よろしければお荷物お持ちしますよ
老人
あら、いいのかい?
あなた
もちろんです!
そう言って荷物を持ち横断歩道を一緒に渡る
老人
ありがとうね
老人
これ、少ないけどお礼だよ
そう言って手に握らされたのはみかん
あなた
いいんですか…?
老人
当たり前だよ!
老人
こんな可愛げな子に助けてもらって…
生きてりゃいいことあるねㅎㅎ
老人
それじゃあね
あなた
はい!お元気で


そう言って一瞥する


手元に残ったみかんをじっと見つめふと考える


" 今までの僕だったら声もかけれなかったかもしれない "


でも今の場所I-LANDでたくさんの人間性を知ったからこそ

優しさを教えてくれたからこそ

僕はこうして行動したのかな何て考えると心がぽかぽかする

少し恥ずかしくなって

このみかんはみんなで食べようなんて考える



感傷に浸っていると信号が青になっていた


横断歩道を半分渡った頃青色が点滅し始めて急いで走った


" あ と 1 m " そう思った時、


左耳に大きなクラクション音が突き刺さった


音の方を見た時には


僕の視界は"白く光沢のあるなにか"だけがあって




その瞬間大きな衝撃と痛みとともに



体が吹っ飛び地面に打ち付けられる




少し瞬きをしただけなのに



目の前からトラックが押し寄せて



身体を油圧されるような強い痛みが僕の足を襲った























筋肉がえぐれる様な











鋭利な物が足中に刺さるような











体験したこともない痛みに悶えながら










だんだん閉じかかってきた目を必死になってを開く










薄っすらと見える視界には










90 ゚ 回転した十字路、










煙が上がっているトラック、










潰れたみかん、


 







そして陽炎が揺れていた

























プリ小説オーディオドラマ