(あなた視点)
ああ、認めるしかないな。
自分でもこの気持ちが何のかなんて、簡単に分かる。
きっとこれは"恋"と言うものだ。
わかってる。
でも、彼が自分を気に入ってくれていることは分かっている。そして、少なからず、好意を向けてくれていることも。
ただ、優しくてかっこいい彼のことだ。誰にでも、あの態度なのかもしれない。
あれはずるい。
でも、
私だってずるい。愛情表現なんてのは、昔から苦手なことだ。
目聡く、耳聡く、聡明な彼なことだ。私の気持ちなんて、簡単にわかっている。
悔しいなぁ。
だから、簡単に捕まってなんてやらない。
クリスマス当日。
任務は、思っていたより静かに進んでいる。
そう思っているのに。
背中が、妙にそわそわする。
ちらっと視線を動かすと、少し離れた場所でホークスが立っていた。
一見、いつも通り。
軽く壁にもたれて、周囲を警戒している――
……はずなのに。
視線じゃなくて、剛翼で。
私は、スマホを取り出す。
画面をつけた瞬間。
反射的に、体を少しだけ背ける。
でも。
その動きすら、たぶん――
画面には、今日の予定。
18:30
駅前モール
受け取り
誰かと会う予定じゃない。
デートでもない。
ただ。
クリスマス。
一緒に仕事。
それだけで、十分なのに。
それでも。
そのとき。
少し離れた場所。
ホークスが、低い声で話しているのが聞こえた。
思わず、小さくため息が出る。
でも。
口元が、緩んでしまう。
それが、分かってしまうから。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。