(幻影編2)
私の手を引く陽葵さんの力は明らかに強かった。
じゃぱぱさんは私の手を掴む陽葵を振りほどいて、
多分、能力を初めて皆さんに向けて使った。
じゃぱぱさんから小さく、汗が落ちていた。
じゃぱぱさんは迷っていたんだ。
2代目といるか、
1代目といるか。
冷や汗はさらに落ちていく。
声をかけなきゃッ……
じゃぱぱさんの肩を叩こうとした私の手を、
雫さんが掴んだ。
シヴァさんに似ている顔がニコリと笑うが、
シヴァさんとは違う、……いや、きっと普通の雫さんとは違う冷たい笑顔だった。
お母さんも近寄ってくる。
私も恐怖で足がすくむ。
体が動かない。
隣を見たら、月夜さんに捕まれ手足を抑えられ、
神谷さんに頬を撫でられているじゃぱぱさんがいた。
……目には涙を浮かべている、じゃぱぱさんが。
神谷さんじゃないッ……
そうだ、これは幻影だっ。
幻影である〝雫さん〟を蹴って私はじゃぱぱさんの元に向かう。
じゃぱぱさんは過呼吸になっている。
パニック発作だろうか。
私に手を伸ばしていたお母さんの手を振りほどいた。
神谷さんの話を聞いたことはよくある。
じゃぱぱさんがいつも、
楽しそうに話してたからよく覚えている。
他の方々も、私に楽しそうに話していた事をよく知っている。
そうしてじゃぱぱさんをぶんぶん揺らして私の方を見るように促す。
そう、聞いた話、
こんなことする人達じゃ無いはずだ。
ボォッ













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。