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第1話

八月某日
24
2026/02/04 10:29 更新



 初夏なのにあり得ない寒気で目が覚める。喉が痛い。

 寝返りをしようとすると、何か硬いものが腕に当たった。手探りに取ると、それはエアコンのリモコンで、液晶には21℃と示されていた。

 ああ、寝てる間に体の下敷きになって押されたのか。電気代が勿体無い。エアコンを切って二度寝しようとしたのに、脳と反して目はすっかり覚めてしまっていた。

 しかたなく重い身体を起こし、洗面台に向かう途中でカレンダーが目に入った。とある日を境にカレンダーに荒々しく描かれたバツは増えていく一方で、まるで生活の自堕落さと部屋の汚さに比例しているようだった。
 
そろそろ、ちゃんとしないと、かなあ。
 
 一応口には出してみたものの、全くそんな気は起きない。けれども仕事もバイトもしてないこんな生活を続けていたらいつか少ない貯金も底をつく。

 あの人が居ないと何も出来ない自分への苛立ちと、この先どうしたらいいのだろうと言う不安。
 
こんなにも貴方に依存して縋って生きていたなんて、思ってもいなかったなあ。
 
 カレンダーを撫でてみると、ざらざらとした質感を感じた。手を見ると、人差し指に、少しペンのインクが付いてしまっていた。
 シャワーでも浴びてこよう。今日はコンビニに買い物にも行きたいし。

 時間は沢山あるのに、凄く忙しく時間が足りないように感じる。疲れるようなことは何もしてないのに、疲れて仕方がない。

 貴方がいないと駄目なのに、貴方に置いて行かれて、
これからどうやって生きていけばいいのかもわからない。
 ひとりにしないで、離れないで。そうやって縋れたら良かったのに。





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