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第1話

プロローグ
19
2025/07/11 02:17 更新
───春。桜が舞う、星翔(せいしょう)学園・入学式当日。

晴れ渡る空の下、全国から選ばれた”未来のスター”たちが校門をくぐっていく。
その中に、ひとりの青年──あなたもいた。

眩希は、自分でもなぜここにいるのかまだよく分かっていなかった。芸能に特別詳しいわけでも、歌やダンスが得意なわけでもない。

けれど「絶対向いてるって!」という友達の後押しに背中を押されて、彼はこの学園への入学を決めたのだった。
(なまえ)
あなた
…すげぇ、本当にテレビで見たやつだ
校内に進み、ロビーを歩く。

学園のロビー、壁に飾られているのは…歴代のMr.星翔(ミスターせいしょう)たちのパネル。

Mr.星翔 ───。
星翔学園のダンス、歌、演技、モデル、トーク、各分野のトップたち。

アイドルに疎いあなたの下の名前でも、見た事ある人達ばかりだ。

その煌びやかさに圧倒されていた時だった。
「うおっ!ごめんなさいすみませんっ!」
(なまえ)
あなた
わっ、いや俺こそごめんなさい!
パネルを眺めてぼーっとしながらロビーを曲がった時に、人にぶつかってしまった。

相手は、同じ新入生だろうか。
お互いにペコペコしてすれ違う。
(なまえ)
あなた
(俺がぶつかったのに…申し訳ないな)
心の中でもう一度、その人の走っていく背中に謝る。
そして俺は、入学式が行われる大ホールに向かってまた歩き出した。
入学式がそろそろ始まる。

指定された椅子に座って、周りを何気なく見回す。
(なまえ)
あなた
やっぱり、アイドル学校は違うな…
先生方はそれぞれの個性を爆発させたファッション。

そして先輩方も、俺と同じ新入生たちも、みんな個性が豊か。

同じ制服だからこそ、髪型やアクセサリー、雰囲気から滲む個性がとても映えていて、つい自分と比べてしまう。
(なまえ)
あなた
(きっと、みんなちゃんと志を持ってここに来てるんだよな)
周りに勧められたから何となく応募して、受かって、ここにいる。

そんな俺は、入学早々、埋もれる予感しかしなかった。

「──只今より、星翔学園・入学式を行います」

そんなアナウンスをバックに、俺は不安でいっぱいになりながら背筋を伸ばした。
学園長挨拶。
挨拶を促され、舞台に上がってきたのは…

金髪混じりの黒髪をオールバックできちっと固め、背筋がピシッと伸びた高身長の、所謂”イケおじ”と呼ばれるような男性。

「皆さん、ようこそ星翔学園へ。」

「私は本学の学園長、如月統一郎と申します。」
(なまえ)
あなた
(うわ…かっけぇ…)
あまりにもかっこよすぎて、周りもザワつく。
「君たちのお父様やお母様が、まだ中高生だった頃に、アイドルグループの一員として、芸能活動を行っていました」

「ですから、名前だけは聞いたことあるよという方が多いかもしれません」
(なまえ)
あなた
(元アイドルの学園長………………)
やっぱり、ここはやばい場所かもしれない。
入学式が無事に終わり、今はクラスを確認して教室に向かっているところ。
(なまえ)
あなた
えっと…1-A…
教室に入ると、やっぱり個性が凄かった。

空いている窓側の席に座り、窓に映る自分を見る。
(なまえ)
あなた
(髪くらい…染めればよかったかな)
そうやって自分の髪の毛をいじっていると…

「あれ!!君俺とぶつかった子じゃない??」
背後から声が響いた。
(なまえ)
あなた
え?あ…そう、俺ロビーでぶつかった
三瀬亘
三瀬亘
だよな!?俺、三瀬亘!よろしく!!
ぱっ、と手を差し出されて、反射的に握る。

すると、腕が取れそうなくらいブンブンと激しい握手を交わした。
三瀬亘
三瀬亘
ねぇ君一人?俺隣座っていい?
(なまえ)
あなた
あ、うん!いいよ全然
三瀬亘
三瀬亘
ナイス〜!おじゃましまーす
亘は、俺の隣にどかっと座って嬉しそうにニカニカ笑う。
三瀬亘
三瀬亘
そういえば、君名前は?
(なまえ)
あなた
俺は、あなた。よろしくな。
三瀬亘
三瀬亘
おーー!!あなたの下の名前な!よろしく!俺のことも亘でいいよ!
(なまえ)
あなた
(なんだか、緊張が遠のくくらいの明るさと賑やかさだな…)
でもさっき塞ぎかけてた今の俺にとっては、とても心地良い空気だった。


そう思いながら、隣でバッグを漁っている亘を、何気なく頬杖をつきながら見ていると、亘が不意にこっちを向いて目が合う。
三瀬亘
三瀬亘
なあ、俺さ、眩希とすれ違った瞬間、「絶対俺はこの人と仲良くなる」って決めてたんだ
(なまえ)
あなた
え?
三瀬亘
三瀬亘
普通にいい人そうだったし、何より、めちゃかっけーじゃん眩希。ビジュ爆発って感じ。
(なまえ)
あなた
…………俺が?
まさか、さっき落ち込んでた見た目で褒められるなんて思ってなくて、言葉を失う。
三瀬亘
三瀬亘
おん。え?ここに来てんだから自覚ないわけないだろ?
そう言って亘はケラケラ笑う。
いや、でも、確かに学生時代、俺はモテてきた方だった。サッカー部でキャプテンしてたし、成績もそこそこキープしてた。

周りが勧めてくれたのも「お前かっこいいし、スタイルいいからいけるって」っていう理由だったし。
(なまえ)
あなた
…いや、でも亘だってかっこいいだろ?
他のみんなだって、派手だし
亘は嬉しさを隠す様子もなくニマニマしながら
三瀬亘
三瀬亘
まぁ〜なぁ〜〜〜?結構モテてきたんで、俺
それでも周りを見て
三瀬亘
三瀬亘
でも確かに、みんな派手だよなぁ…髪染めてるし、ピアス開いてるし、もう制服着崩してるし。
それでも俺を見つめて、ふっと目を細めて
三瀬亘
三瀬亘
それでも俺はお前がかっこいいって思う。
かっこいいの基準って「派手な髪色」でも「ピアス」でも「着崩した制服」でもないだろ?
亘の、その眼差しに心が惹き込まれる。
真面目な話する時はそんな顔するんだ、なんて冷静な自分もいるけど。
三瀬亘
三瀬亘
大事なのは「似合ってるどうか」なんだよ。シンプルでも派手でも、似合ってればかっこいい。
(なまえ)
あなた
亘…………良い奴だな、なんか
三瀬亘
三瀬亘
へ?
亘は照れくさそうに笑って鼻の下をこする。
三瀬亘
三瀬亘
へへっ普通のこと言っただけだしぃ〜
(なまえ)
あなた
あははっ、照れてんじゃん
そんな時、ガラガラ…と引き戸が開かれた。
(なまえ)
あなた
…あれ?あ…見た事、ある
三瀬亘
三瀬亘
だよなだよな…!俺も
「…おし、全員いるな」

「入学おめでとう。今日から1年間みんなの担任としてアイドル活動をサポートする」

先生は、体すべてを使って黒板に大きく名前を書いた。
真堂 彰シンドウ アキラだ」
「教師歴は5年。元はソロアイドルとして活動していたが、病気をして踊れなくなってな。今はこうして、母校であるここの教師をしている。」
「それでは今から、ここ、星翔学園について説明をする。君たちが3年間学ぶ場だ。しっかり聞いておくように」
真堂先生は、淡々とこの学園について話し始めた。

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