第5話

#4環境
254
2024/07/23 08:04
前回までの内容を、口調について一部変更しました。
こっちのがやりやすそうだったんです!!すみません!!!!!
(なまえ)
あなた
さて、腹ごしらえも済んだことですし!雨降ってるから急ぎましょう!
結局お姉ちゃんには悪いから、レインくんフィンくん私の分、全額(無理やり)払ってお店を出た。
雨止むまでいてもいいよ?って言われたけど、お気持ちだけ受け取った。正直早く家に連れてってお風呂に入れてあげたい。
まだまだ当たると痛いくらいに雨が降っているけど、私の服は特注。フードを被ったら余裕余裕。だし、傘も更に大きいやつを出したから兄弟も濡れてない。
(なまえ)
あなた
じゃ、乗ってください!
そういって箒にまたがる。
フィン・エイムズ
え、でも雨降ってるよ?箒乗るの?
(なまえ)
あなた
ふっふっふ。私を誰だと思ってるんですか?箒の操縦は得意科目です!…それ以外の運動系は点でダメなんですけどね…
(なまえ)
あなた
ちなみに大人用のサイズですから私たち全員乗っても大丈夫ですよ!
レイン・エイムズ
(どうせフィンも乗るんだろう。それならもしも、あなたの下の名前(片仮名推奨)が何かしてきた場合直ぐに守れるよう後ろに乗るか…)
レイン・エイムズ
そういうことなら乗らせてもらう。
そういってレインくんは穂先に一番近い、柄の後ろあたりにまたがった。
また目を光らせてる。
警戒してるっぽいなぁ…しゃーなし。時間をかけて信頼して貰うしかないね…あと、行動で示す。レインくんのモットーですしね。現段階でどうなのかは知らんけど
フィン・エイムズ
じゃあ僕真ん中乗るね!
フィン・エイムズ
(後ろが兄さまだと安心するなぁ…)
相変わらず表情がわかりやすいフィンくんはもうスイーツ食べ始めた辺りからずっとにっこにこ。それを見た私はにっこにこどころじゃ済まない。誰か、私の口角知りませんか?遥か上空に吹っ飛んでった気がするんですけどぉ…
(なまえ)
あなた
じゃあ、飛びますよ!しっかり掴まっててくださいね。
魔力を上手くコントロールして飛ぼうとする。あ、やばい。3人乗りしたこと無いから感覚がわかんない。けど、ここでミスって飛べなかったり、逆に飛びすぎたりしちゃったらそれこそ信用失っちゃう。今信用してくれてるのかは置いといて。…集中集中
(なまえ)
あなた
私は出来る私は出来る私は出来る…箒の授業ぶっちぎりで1位だったし大丈夫大丈夫…
フィン・エイムズ
(不安なんですけど!!そこは自信持ってて欲しいんだけど!!)
ふわっ

雨の中、レインくんがフィンくんの分まである大きめの傘を持ってるから船の帆みたいになって風の具合とかが難しいけど上手くいったっぽい。このまま、前世で言う結構急いで漕いでる自転車くらいのスピードで、更に途中である森を通って近道すれば家まで多分10分程でつく。
(なまえ)
あなた
すぐつきますからね〜!
フィン・エイムズ
あっ!あなたの下の名前(片仮名推奨)姉さまのおうちはどんなとこなの?
何も話していない空間がきつかったのか、フィンくんが勢いよく聞いてきた。
(なまえ)
あなた
えっとね〜、ねぇ……ぇ、



そこで気付いた。
私達はこの世界で言うとさほど年齢は変わらない。なのに。あまりにも育ってきた環境が違いすぎる。この子たち私の推しは、幼稚園を卒業するくらいの齢で両親を亡くしてストリートチルドレン。しかも、頼れるはずだった親戚はあんなゴミやろうしかいないからたらい回しにされる羽目に。


――対して私の方は。
両親は魔法局勤めの二本線一人っ子。めちゃめちゃにいい環境で大切に育てられてきた。
要は自他ともに認める人生イージーモードのお嬢様。努力はしてきたけど。好きでやってただけだし。




最低。なんにも考えずに…カス。社不。この世のゴミ。おいもキャベツ…は言い過ぎか。

ホントは学校の寮でも良かったけど、家のほうがベッドもお風呂もリビングも質が良いから使って欲しくてつい実家に帰るという選択をしてしまった。しかも学校に外泊届けまで出して。無駄に張り切ってしまった…
だって私だって元々はただの凡人ですし?!そんな頭回らないんだが?!
己に腹が立って仕方がない。




2人からはどう思われるだろう。
シンプルに嫌われはすると思う。恨まれるかな。こんなにも気を使えない奴なんだ!って失望されるかな。
好感度激落ちRTA世界1位とれるかも。



こう考えている間に恐らく会話をしっかり聞いていたであろうレインくんは勿論、フィンくんも不信感を抱き始めている頃だろう。多分聞かれてから20秒はたってるし。
ザーザーとだんだん強くなっていく一方の大雨の中、沈黙で箒を進めているだけの20秒間は結構長い。気まずいなぁ…


さて、何と言おうか。なんなら道間違えたとすっとぼけて寮に帰るのもありかもしれない。
…でも。
(なまえ)
あなた
私の両親は魔法局で働いているので、それなりに大きい方だと思います…
正直に言ったほうが今後の信用にも関わってくる。今後があるのか分かんないけど。

…というか、こんな些細な会話すらまともに出来ないのしんどいなクソが
(なまえ)
あなた
…ごめんなさい!2人に対しての配慮が足りませんでした…
フィン・エイムズ
?なんで謝るの?
フィン・エイムズ
というか、ほんとにそんなすごいとこ住んでいいの…?
レイン・エイムズ
(こいつは恐らくオレ達と自分の環境の差を感じて謝罪したんだろうが…フィンは気付いていないらしい。寧ろ、「そんなすごい人の家に自分たちなんかがお世話になって良いのか」とさえ思っているのか…)
レイン・エイムズ
あなたの下の名前(片仮名推奨)のような環境で育てられた奴らがオレ達を貶してくることはよくあった。しかし、あなたの下の名前(片仮名推奨)はそうする気は無さそうだしな。
レイン・エイムズ
…正直、まだオレはあなたの下の名前(片仮名推奨)のことを完全には信用出来ていない。だが、今の3時間ほどだけでさえもオレ達は世話になってばかりだ。むしろ、感謝している。
(なまえ)
あなた
!あ、ありがとう…
フィン・エイムズ
(なまえ)
あなた
むしろ、こっちがついてきてくれて嬉しいくらいなんですよ!フィンくん!!
(なまえ)
あなた
ずっとひとりっ子で寂しかったので、!!
フィン・エイムズ
それなら良かったよ!
めちゃめちゃ緊張して言ったのに、意外にも空気感がほわほわしたまま済んだ。
良かったですわよ。ええ。
そうこうしてるうちに。
(なまえ)
あなた
ここが私の実家です!普段は学校の寮で暮らしていますが、!
フィン・エイムズ
うわぁ!広いね!
レイン・エイムズ
今まで身分が高いやつの家にいたこともあったがここまでのは初めてだな
私の家は門を通ってバカでかい(池とかまである)庭を突っ切ってからやっと玄関に辿り着く。こんなエイムズを拾えといわんばかりの最高の環境に産まれたことに感謝。
1階にはリビングや洗面所、空間拡張魔法が施してある魔法を練習できる部屋、後は空き部屋…?とかがある。
2階は私とか親の部屋、お母様が研究系の仕事だからそれ用の研究室、お父様が同僚とか呼んできて使う会議室、お風呂、書斎(都会の小学校の図書室くらいでかい。)、空き部屋がある。
後トイレ。因みに全体的な大きさは小学校の一校舎分くらい。
基本どの部屋も広い。
私の部屋はまた別で説明が必要なほど情報量が多いので恐らくまた長々と説明が入ることだろう。
魔法道具の、前世でいうインターホンをおす。

音が変なのは置いといて。
ピンポンッ
(なまえ)
あなた
お母様〜います?
(なまえ)
あなた
お父様でもいいですが。あなたたちの愛娘が帰ってきましたよ〜
フィン・エイムズ
(思ったよりフラットなんだな…)
'
わぁ!あなたの下の名前(片仮名推奨)!!帰ってきたの?!お風呂入る?ご飯食べる?なんなら今からシェフ呼んでそれからそれから
(なまえ)
あなた
今親バカ全開にされると気まじぃんすけど…お母様!取り敢えず雨降ってるんで開けてもらってもいいですか?
'
あっごめんなさい!
ガチャリ
門が開く。

鍵持ってるから自分でも開けられるんだけど急に帰ってきたら驚くだろうからインターホンを通して開けてもらった。
(なまえ)
あなた
じゃ、入りましょうか!
フィン・エイムズ
お邪魔します!
レイン・エイムズ
庭まで広いのか。
フィン・エイムズ
兄さま!嫌味っぽくなってるよ?!
あらら。口下手なとこがでちゃったか。多分悪意はない。
ポジティブな雰囲気に変えよう。
(なまえ)
あなた
2人もこれから自由に使って下さって構いませんからね!
(なまえ)
あなた
さ、ついたついた。そこら辺に靴は置いといてくださいっ
ガチャッ
今度は鍵でドアを開ける。昔は重いからドア、開けづらかったなぁ…
(なまえ)
あなた
ただいま!!
レイン・エイムズ
…!
フィン・エイムズ
綺麗〜!
2人が目を輝かせている。まぁ広いからね。レインくん。やっとそういった年相応のとこを見せてくれて私は嬉しいよ。後警戒心凄いのもいつか無くしてね。
(なまえ)
あなた
まず、洗面所行って手、洗いましょうか
フィン・エイムズ
どっち?
(なまえ)
あなた
こっちです!ついてきてください!
(なまえ)
あなた
そういえば、2人とも。お母様ちょっと話すとめんどくさい人だから私が説明終わるまで喋らないでくださいね!
手を洗って、うがいもさせてから、各部屋の紹介をしながらリビングに案内する。
(なまえ)
あなた
っと!
(なまえ)
あなた
到ty
バンッッ
'
あなたの下の名前(片仮名推奨)!おかえり!というか3週間ぶりなんですけど!寂しかったぁー!!
(なまえ)
あなた
ドアを乱暴に開けないでください。そんでもって親バカいつになったらなおるんですかぁ…
(なまえ)
あなた
大体、イーストン中等部の子って普通ずっと寮にいて、半年に一回帰って来る程度なんですよ?
'
うっ…それはそうだけど…
レイン・エイムズ
(オレ達は何を見せられてるんだ…)
フィン・エイムズ
(ママいるのいいなぁ…)
(なまえ)
あなた
というか、他に聞くことないんですか?例えば、私の後ろにいる子たちの説明だったり。
'
…確かに
この人、魔法局の中でもかなり上の立場なんじゃ…大丈夫か?この世界
(なまえ)
あなた
えっと、こっちの子がレインくんで、こっちがフィンくん。
(なまえ)
あなた
〇〇通りを歩いていたら、2人が虐待クソ野郎に家から追い出されるところにちょうど出くわして。
'
えっ…
(なまえ)
あなた
拾ってきました。暫くは私、寮じゃなくてここでこの子たちのお世話しながら学校通います。
'
急だね?!まぁもちろんいいけど…
'
君たち、大丈夫?何も知らずに、さっきはごめんなさいね。
覗き込むようにしてお母様が話しかける。
そして親バカムーブを当たり前のようにかましてしまった事を謝った。
'
何かあったら頼ってね。そのとき家にいないかもしれないけど…
レイン・エイムズ
…ありがとうございます
フィンくんはレインくんの後ろに隠れている。そりゃそう。怖いよね。見知らぬ大人と見知らぬ場所で話すの。
'
君がレインくんね。
'
フィンくんも、慣れてきたら顔、合わせてくれると嬉しいな!
レイン・エイムズ
(親子揃って距離の詰め方がおかしいな…)
(なまえ)
あなた
取り敢えず、「私の家」に一旦連れていきますので!
(なまえ)
あなた
あっ。ご飯、後でで良いです!…というかスイーツ食べ過ぎたので少なめでお願いします!
'
おっけ。ご飯、楽しみにしといてね〜!フィンくん、レインくん!
2人はちゃんと他の人が作ったご飯を信用して食べれるのだろうか…
フィン・エイムズ
!はい!
'
お、喋っt
(なまえ)
あなた
また後で来ますので!
無視して半ば強引にリビングを立ち去る。
(なまえ)
あなた
距離の詰め方少しおかしい人で…ごめんなさいです。
と、言いつつも。多分、お母様がこの子らについて深く聞いてこなかったのは気を使ってくれたんだと思う。そこらへんやっぱ良い人なんだよな…
フィン・エイムズ
あんまり変わらないと思うけど…
レイン・エイムズ
だな
多分コミュニケーション能力が少しおかしいのだろう。私。悲しいな
(なまえ)
あなた
え?!まあ良いです。じゃあ行きますよ!
レイン・エイムズ
…そういや
レイン・エイムズ
さっき、「自分の家」と言っていたのは何なんだ?
フィン・エイムズ
あっ!僕も気になってた!
(なまえ)
あなた
この家の構造、家の中に更に家が入ってるみたいになってて、
(なまえ)
あなた
私の家の部分があるのでそこの事を指して言ったんです
(なまえ)
あなた
要するにマンションとほぼ一緒ですね
フィン・エイムズ
おお〜
そう言っているうちについた。

お風呂入れたり治療魔法使ったりやっとできるッッッッ

勿論、お風呂は別々だよ?






こうして、私はゴリ押しでエイムズ兄弟と一緒に暮らすことに成功した。





完全に2人が心を許してくれるのに一年ほどを費やしたのは別の話…なのか?

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