…ラウール視点…
言った、言っちゃった。
最初は昨日のキスの後 突き放すように言ったのを謝りたかっただけなのに、そのまま口から出てくる言葉が『彼氏にしてください』だった。
お嬢様の目を見ているのが だんだん辛くなって俯いたら、予想外の言葉が聞こえた。
驚いて大声が出てしまった。目の前のお嬢様は笑ってる。嘘じゃないよね?
実はこれ、お嬢様からなかなか誘わないって聞いたから、ちょっと意地悪なルールなんだよね。気がついてないみたいだけど…
あなたちゃんの目をずっと見ていたら、なんだか吸い込まれるようで 自然と顔がお互い近づいた。
あなたちゃんは困ったように笑ってる。
僕の手をとって言った場所に導いてくれた。
ほっぺにあてた時は、僕の手が大きすぎて片手ですっぽり包み込めるかと思った。
そう言うとあなたちゃんは指を絡ませてきたからドキドキした。僕のゴツゴツした手にキレイに整えられた爪が映えて、僕には無い女性らしさを感じた。
お互いまた顔を近づけて、短くキスした。
目をつぶったからちゃんと唇にあたるか不安だったけど大丈夫だった。
あなたちゃんの唇は柔らかくて、近付くと女の子のいい匂いがしてクラクラする。
すぐに離して、またキスした。何回も。
どうやって息したらいいんだろうとか、前まではいろんな事いっぱい考えたけど キスしてる最中はそんな事思い出さなかったし自然に鼻で息できた。
短く触れるだけのキスを何回も繰り返してるうちに、欲が出てきて 手を繋いでない方の手をあなたちゃんの背中に回して引き寄せた。
かわいい声で名前を呼ばれて、たまらなくなる。
口を塞ぐようにまた口付けした。
最初は触れるだけのキスだったけど、少し舌を出してみたら口を開けてくれて、柔らかい舌が重なってゾクゾクした。
あなたちゃんがもう片方の手を僕の胸にあてて少し押してきたけど、気がついてないフリをした。
他の執事とはいっぱいキス以上の事してるのに、僕だけできないなんてずるいよ。
背中に回した手をゆっくり移動させて胸に触れたら、あなたちゃんの身体がビクッと跳ねた。
ニットの上から胸の形を確認するように ゆっくり撫でていく。軽く触ってるだけなのに、丸くて柔らかくて、甘えたくなるような感じがした。
身をよじらせてるのが可愛すぎて、意地悪な気持ちになってくる。
耳元で囁くと、あなたちゃんは目を潤ませてこっちを見た。
純粋に分からなくて聞いたんだけど、答えてくれなくてそのままキスを続けた。舌を絡めたり唇を舌でなぞったり、あなたちゃんと僕の唾液が混ざり合うのがとてもエロくてやめられなくなってた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。