第18話

その笑顔
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2025/09/03 09:17 更新
庭の草花は風に揺れて静かに舞った。

見渡す限りの蝶々も、太陽の光も、皆夜になりそうだった。

雷が音を立てていた。鐘のように、ただ深刻に。


軽やかな声で、そう言った。
やぁ。よく来たね。

目の前に、狐のお面を被ったドールが立っていた。

蝶々はドールの指に静かに止まって、まるで時が止まったみたいだ。
詩雲 美華しくも みか
....ああ。来たくなんて、無かったよ。

目の前にいるその存在は、ずっとずっと微笑んでいた。

その笑顔、私は好きだ。
貴方が私の気持ちを好いてくれる遥か先に、私の気持ちは存在する。
世界で聞いた貴方の曲も、哀と同時に優しかった。

華やかな蝶々が飛んで行った。
未来か過去か....
その疑問すら、私は鼓動が早まった。
興奮という期待だけ、感じることが出来ていた。
その拳銃、おかしいな。
私は弾を抜いたはず...銃弾を持っていたんだね。
....ww
詩雲 美華しくも みか
...念の為。
詩雲 美華しくも みか
それにしても、
玄関で警官が何人か伸びてたよ。
詩雲 美華しくも みか
....誰だろう。
....ん?w

お互いに、瞳を震わせ必死に笑った。

正体...なんて、大層なものでも無いけれど。

詩雲 美華しくも みか
いつ気が付いた?


痕跡なんて残してなかった。

最初から、少し会って別れるつもりだったから。
貴方が私を引き連れるまで、永い年月一緒に居るなんて、考えられる思考は無かった。

それでも。
相も変わらず楽しかったぁ.....、


....分からない。
人に説明されたんじゃ、貴方の心は理解できない。
そう、貴方は言ったんだ。

欲だよ。私の。
そう言ったのは、君だろう...?
詩雲 美華しくも みか
....ッ!!?

微かに表情を変えていた。

そうか...なんだよ...あの時なんて、もう覚えていないのに。
...ww
嬉しそうな表情だった。
その表情が、
私の胸を踊らせた。

いつの間にか私の目の前まで迫って来ていた。
風に髪をなびかせて。
詩雲 美華しくも みか
...確証も、何も無いんだけどね。
それがいいんだ。

ただ一心不乱に、目の前にあるパソコンだけを。

「非公開での協力要請。
我々警察は、貴方の実力を認めております。
ハッキング、コード入力、バックドア...どれも皆素晴らしい!!!
お願いします。返信は不要です。
協力して頂けるのなら、このパソコンのデータを削除しないで頂きたい。
貴方が尻尾を掴んだ時には、このメールアドレスにてご連絡を。」


あぁ、そんなこともあったかな。
随分前で、一番薄い。
詩雲 美華しくも みか
詐欺師相手じゃ敵わないかな。
...ww
そんなことは無い。
これから先は、幾らでも存在してるのだから。
詩雲 美華しくも みか
......

この瞳だけに、全てを賭けた。
奥深くて、ハイライトも無い、そんな瞳に。

そんな顔をするな。
詩雲 美華しくも みか
.....
私の見る目は完璧だ。
命を賭けて、守ってやる。


思ってもみなかった程に、手は震えたし、瞳は揺れたし、その言葉一つが胸に響いた。

最初から、私は貴方を楽しみにしていた。
学校で、クラスの奴らから悪口ばかり言われる時、
良い事をしても、周りの視線が痛い時とか、

一人だけ、違うことをしてしまったその悲しみも。

全部世界は消してくれたのに、この地に立っている理由だけは、全てを現実へと引き寄せた。

思わず下を向いていた。
何も無い、その地面だけ。



詩雲 美華しくも みか
「死ぬ勇気なんか無かったし....」
詩雲 美華しくも みか
「生きる辛さはもう知った...。」
詩雲 美華しくも みか
「愛情を受けていないわけじゃないし..」
詩雲 美華しくも みか
「でも、その中にあるガラスの破片が痛かった。」

音を鳴らして、拳銃を構えた。

風の音すら、適わなかった。
詩雲 美華しくも みか
貴方の期待、私は裏切ってしまったか?

心からの、その言葉を。

自分が自分を信じなければ、この未来に希望は無いと。
過ぎ去っていく時間のように、君の姿は秀麗だった。

不安という感情が、私に生まれなかった訳じゃない。
人と過ごせば過ごすほど、自分を信じさせることよりも、自分が信じなければならないことの方が、幾分か難しいのだと
気が付いた。

君が向ける拳銃も。
私は予想出来ない未来にワクワクしている。
それが、紛れも無い私なのだ。

死ぬか...生きるか。
その運命は、私が決めよう。

しばらくの、沈黙が続いていた。
海を静かに泳ぐシャチのように、より冷静で、恐ろしい。

だけど、その者は遥かに超越する実力で...
さも見透かしていたように声を変えた。
裏切られたと感じる心なら、
もうとっくに死んでいる。
....ww
詩雲 美華しくも みか
.....
だが、一つ問おう。
この数年。
君にとって、ここはどんな場所だった?

予想外のその質問に、私は思わず瞬きをする。
詩雲 美華しくも みか
どんな..って...

ありすぎるくらいには、迷っていた。

声が、必然的には出なかった。
その質問に、どんな意図があるのか、拳銃が交差するこの一時で、貴方は一体何を考えているのだろうか....

詩雲 美華しくも みか
思い出も何も無い。そんな場所。

本当に、何も無い。

だからこそ、笑って帰れるその時がある。
深く入ってしまうほど、闇に吸い込まれる力はどんどん大きくなっていって、
その辛さ、貴方が一番分かっていると思うから。
詩雲 美華しくも みか
wwwッ!!
詩雲 美華しくも みか
最高だったッ!!!!
.....ッ!
....ww


ドールは見つめるようなその微笑みで、美華を覗いた。

その煌めきは、永遠と君の力になるだろう。
そしてやっと報われる。

そんなことを、刹那に思っていながらも。
詩雲 美華しくも みか
.....
詩雲 美華しくも みか
お前だって、辛いだろ。


後悔している者がいた。
憂いをもってこの地に立っている者がいた。
何も言うな。
今君の目の前にいるのは、ただ一人の犯罪者。
詩雲 美華しくも みか
....なんで。
.....
詩雲 美華しくも みか
どうして分からないフリをするッ!!!?
何がだ。
詩雲 美華しくも みか
お前は賢いっ!!?
だからこうなることも分かっていただろう!!
詩雲 美華しくも みか
私の母と、お前の命...
どうして私に決断させる....!

一人の少女の号哭ごうこくに、ドールはちゃんと前を向く。
その微笑みと、命だけを。

警察であるまじきその行動に、静かに怒りを募らせた。
詩雲 美華しくも みか
なんで..なんでさっさと...逃げないんだよッ...

後ろから聞こえてくるその足音に、呼吸が荒く、肩も震える。
.....

その一言に、呼吸が浅く、速くなる。
....ww
自分じゃなくて自分の期待する気持ちを信じろ。
期待という気持ちを理解した瞬間に、
それに賭けてみる。
100万200万なんならそれ以上。
1番近くに存在している気持ちに賭けるんだ。
警察
警察だッ!!!!
手を挙げろッ!!!!
....ww

生きるか死ぬか。


その運命...私だけが手にしている。



詩雲 美華しくも みか
....ッ!!

その拳銃を、1人に向けた。
 



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