懐かしそうに笑いながらアイエンは話す。
改めて聞くとだいぶ恥ずかしいな…と思いつつ、あなたはコメントを流し読みしながら地球グミをあぐあぐ食べた。
アイエンはコーヒーを一口飲んで、ゆっくり頷き、続きを話し始めた。
あなたはまだ地球グミを食べている。
6年前の出来事だ。
4thステージの個人ラップパフォーマンスの際、あなたは初めて全体順位五位という酷評を受けた。
それまではずっと一位をキープしていたが、本番時の致命的なミスによる結果だった。
審査員に「あなたらしくなかった」や「期待してた分失望した」などと評価され、あなたは落ち込んで泣いていたのだった。
言い訳が通じないのがプロの世界だ。
しかし当時まだ15歳だったあなたにとってそれらの言葉は棘のように突き刺さった。
アイエンが笑い、あなたも爆笑する。机の上には空の地球グミが積み上がっていく。
「食べ過ぎじゃない?」「いいの」などと言葉を交わし、2人は再び画面に向き直る。
アイエンが画面外の地球グミのケースを取り、あなたの前に突きつける。グミのケースは空っぽだった。
「あら」と言いながらあなたはびっくりしたような顔をする。
しゅん…と肩を落としながらあなたは怒られちゃったよ…という顔をする。
アイエンはぷりぷり怒りながら、「一緒にたべようとおもったのに!」とちょっと機嫌悪そうに言った。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!