婚約通知
そう呼ばれる国からの通達がくるとぼくらは縁もゆかりもない相手との結婚が決まる
そして俺は
今から「未来の結婚相手」と会う
告白後 三日目の夜
どうしよ、まだなおきりさんと話せてないのに…!
逃げよ!
あれ…?なんか皆めっちゃ見てくんだけど…
…後悔って、
後悔したくないからいまこうして学校にきたのに…
気まずい沈黙が流れようやくなおきりが口を開いた
ぼくらの前に会った冷たい鉄の扉が勢いよく開けられる
……それからのことはよく覚えてなくて
ただただ呆然としていた結果いまに至る
なにあのイケメン!?え!?吉沢亮の弟か?
あのイケメンが俺の相手!?あんなイケメンなおきりさん以外にもいたのかよ…
なおきり、さん…
あぁ、そうか俺はなおきりさんに嫌われたのか……
嫌われたんだ…なおきりさんに……
呼ばれた気がして顔を上げようとしたら制服の上着が飛んできた
恐らく投げつけられたのだろう
……ちょっといい匂いした
そういい部屋を出ていくゆあんをおれは見つめるだけだった
お父さんがすごい速さで俺とかたをくみ小声で話しかけてきた
…はぁ、どこ行ったんだ?……
保護者たちはなんか妙に意気投合してるし…
…もしこのまま帰ってこなくてこの結婚が破談になったら……
おれはダメだな、なおきりさんに嫌われたのにまだこんなこと考えてる
あいつの言うとおりかもしれない
失礼で、非常識…
ガタッ
物音がしたような気がして隣の扉を開けたら
いた
俺の腕を引っ張り強引に物置に入れられた
いまの状況は俺がゆあんに馬乗りされて口を押さえられている
恥ずかしさと悔しさ、怒りがまじってつい涙が溢れてしまった、
いや気まず
しまった、火に油注いじまった…
……あ…
こいつは、
俺の相手赤坂ゆあんは俺と同じだ
好きな人がいるとか恋がしたいとか以前に、たぶん俺も怖かった
だって 結婚する意味も意義もわからなかったから
そんな覚悟を急に決めろという方が無理だと思うし…
それでも、こいつは俺を正面から受け止めようとしてくれた
どうしよう、どう謝れば!
もしかしてなおきりさんも同じように俺にがっかりしたのか…?
俺は浮かれてて、なおきりさんが何を思ってあんなことを言ったのか‥
どうして俺の婚約通知をあっさり受け入れたのか
たぶん全く関心を持ってなかった
ただ「好き」で‥
そこで止まってた
つい渾身の土下座を出してしまった、
普段なら俺のプライドが許すはずもないがいまだけは何とかしなければと思った
馬鹿か俺は!?
将来の結婚相手に好きな人がいるって言うとか自分で自分の墓穴掘るようなもんだろ!?
あれ…?思ってた反応とちがう
つい気持ちが高ぶって抱きついてしまった
でも、それほど感謝してるって伝わったはずだ
手を繋ぎながら物置から出た
俺より年下のはずだが俺とあまり体格が変わらないゆあんの手はなんだか頼りないがしっかり男の手だった











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。