♯ lrn side
あなたの下の名前ちゃんと楽しそうに
話しながら歩いている男。
ネクタイの色は三年生、
なんだか見覚えがある顔だ。
彼氏がいるくらい
当たり前のことだろう。
あんなに可愛くて
明るくて、モテない
はずが無いんだ。
ただの後輩の彼氏を
見ただけで、なぜ
こんな気持ちに
なっているのだろう。
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♯ fw side
存在感を消して
のそのそと教室の扉を
開けて入ってきたロレ。
寝癖のついた頭と
上の空な表情が、
いつものハツラツとした
雰囲気とのギャップを
感じさせる。
淋しげな顔で一言
返事をして、また
黙り込んでしまった。
いつもなら鬱陶しい
くらいに喋っているのに。
そう言いながら
首の後ろを触る。
これはロレが嘘を
付くときのクセだ。
昔からコイツは
自分の気持ちを
表に出すのが苦手らしく、
無意識に嘘をついて
隠すときがある。
イブも気づいとるな……、
ずっと一緒にいると、
嫌でもコイツらの
考えている事が
何となく分かってまう。
俺は何を考えてるのかが
分からないってよく
言われるけど。
少し眉を下げて、
困ったように
弱く微笑むロレ。
これは相当なことが
あったらしい。
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♯ あなたの下の名前 side
昼休み開始のチャイムが
鳴るとともに、りりむが
すごい勢いで私の机に
来て、話しかけてきた。
りりむがかなり大きめの
声で言い放った途端、
騒がしかった教室が
一気に静まり返った。
“ あんな目立たない子が? ”
なんて言いたげな表情で
こちらを見つめている
クラスメイトたち。
やっぱりローレン先輩は
1年生でも有名なのだ。
クラスメイトからの視線に
耐えられなくなってきた頃、
廊下から黄色い声が次々と
湧き上がるのが聞こえた。
なんだか嫌な予感がした
私たちは、急いで教室から
飛び出して廊下の騒ぎの
原因を知ろうとした。
女子たちからの歓声を
のらりくらりとかわして
こちらに近づいてくる
四人の二年生男子。
某少女漫画のような光景に
くらりと目眩がした。
私の存在に気づいた
不破先輩とローレン先輩は
嬉しそうな顔でぶんぶんと
手を振ってくる。
先輩、なんでそんなに
目立っちゃうんですか....














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。