朝
合宿3日目。
監督が全員を集める。
選手たちの空気が変わる。
緊張感。
翠も小川も表情が引き締まる。
スタッフがホワイトボードに名前を書く。
翠と小川が同じチーム。
小川は心の中で少し安心する。翠は特に反応なし。
でも、小川が同じチームだと確認して、小さく頷く。試合前。
翠が全員を集める。長々とは話さない。
でも必要なことだけを伝える。
みんな自然と頷く。
小川は思う。相手サーブ。
サーブレシーブ。
小川がきれいに返す。
翠が走る。
トス。
スパイク。
得点。
翠は派手に喜ばない。
でも、その一言だけ。アタッカーは嬉しそう。相手の強打。
小川がギリギリで拾う。
翠がコート外まで走る。
体勢を崩しながらもバックトス。
アタッカーが決める。
体育館が少し湧く。
監督も、翠は息を整えながら、
小川の方を見て
ほんの少しだけ口角を上げる。
小川はその笑顔を見て、ベンチ。
小川がタオルで汗を拭いている。
翠が近づいてくる。突然だったから小川は固まる。それだけ言ってコートへ戻る。勝利。
みんなハイタッチ。
翠も自然に輪に入る。
小川ともハイタッチ。
今度はぎこちなくない。ボールを片付けながら。
少し考える。
小川はその言葉を静かに聞く。少し笑う。ホテルへ戻る道。
小川は一人で歩きながら思う。その頃。
翠は部屋で今日の練習ノートを書く。
最後に一言。
「小川 対応力◎」
・サーブ ○
・トス ○
・ブロック △
小川
レシーブ範囲が広い。
対応が早い。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。