出発当日の朝。
全員が会議室に集まっていた。
皆、己の武器はウエストポーチに入れず手に持っていたため、パッと見るとかなり物騒な光景になっていた。
隊長が尋ねるも、手は上がらない。
隊長は満足げな顔をした。
そう言うとアルファさんはスマートフォンを取り出して「準備OKです!そちら、圧縮度はどうですか…」とかなんとか話し出す。きっと確認作業だろう。
……にしても、あの隊長がまさかアルファ「さん」と呼ぶとは驚いた。
他の組織に属している人だから多少丁寧になるのだろうか。
そんなに優しく接することができるなら元からそうしてほしいが…と言う事は控えておいた。
アルファはビシッと指を差して言った。
決めポーズらしかった。
地面ポータルというのだろうか。それとも魔法陣というのが適切なのだろうか。
近未来感バツグン機械が置いてあった。
隊長が告げる。
確か彼女はこの場に残るのだったか。私は思い出す。
アルファは手に持つリモコンのボタンを押す。
すると私たちの乗っている台が光り始め、やがて視界が白くなる。
眩しさに思わず目を閉じた。
クレブスの声が聞こえて目を開ける。
蠍は驚いた。
目の前にあったはず御影隊の建物がなくなり、いつのまにか高架下にいたからだ。
アクワーリォはキャッキャとはしゃぎながら言った。
確かに、さっきまでいた東部二区は建物の数が少なく、廃れている印象があった。
が、こちらの東部一区は相変わらず暗い雰囲気があり廃ビルのようなものが少なからずあるが先より建物の密集度が増している。
違う区とはいえ隣り合わせであるにもかかわらずこんなにも差が生まれるのか、と私は驚いた。
アルジャッディはこちらに視線をくれることもなく言った。
なんて怖い技術だ、と蠍はワープの到着地点を見た。
言葉が途切れた。
皆がアリエスを見た。
アリエスは一瞬驚いたような表情をしたが、すぐに気を引き締めた。
視線の先には、一人、人がいた。
ハマル。
そう呼ばれた人物は手を振りながらこちらに向かってきた。
オレンジの瞳と髪に赤のインナーカラー。そして緑のスカーフが印象的な高身長の女だった。
アリエスは至って普通に、そして事務的に返した。
ハマルはシッシ、と手を振った。
暴れだしそうなレオンをこちらは必死で抑え込んだ。
アリエスは答えた。
どうやらそれは合っているようで、ハマルは満足げに頷いた。
ハマルはアリエスとの距離を詰め、真横に立った。
そして顔だけアリエスの方に向けた。
ハマルのほうが背が高いので、アリエスは必然的に見下ろされた。
ハマルは目に追えぬ速さで自分の腰から何かを取り出した。
何かは考えなくても分かった。
凶器だ。
意図はストレートだった。
ハマルはアリエスを刺した。

























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。