あれから数日、ヨンジュンは相変わらずしつこく話しかけてきている。
なぜか冷たくすればするほど嬉しそうだ。
Mなのか?
ちょっと冷たくしすぎたか?
あいつ…財布落として行きやがった…!
慌ててヨンジュンの向かった方向へ出てみるがもう姿はない。
仕方がないので中身を覗いてみると住所の書かれた学生証が入っていた。
とりあえず行ってみることにした。
地下鉄に乗ること約10分。
辿り着いた場所は、至る所でヤクの取引がされていた。
そう、ここはニューヨークシティでも指折りの治安の悪いことで有名なエリアだった。
学生証に書かれていた住所は、あのトップスター・ヨンジュンが住んでいるとは到底思えないアパートだった。
チャイムを鳴らしてみたが応答がない。
途方に暮れて入口をウロウロしていると、偶然買い物から帰ってきたオバちゃんが声をかけてきた。
という訳でヨンジュンが帰宅するまでオバちゃんの家でお茶をして待つことにした。
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オバちゃんの家に上がり込んでのんびり紅茶とケーキを食べること約1時間。
トントントン…
誰かが階段を上がってくる音がした。
ウインクをして見送ってくれるオバちゃんの家の玄関からそっと出てヨンジュンの部屋の方を覗くと、ヨンジュンはちょうど鍵を開けようとしていたところだった。
少し驚かせてやろう。
後ろからそーっと近づき、声をかける。
サッと財布を見せる。
ヨンジュンはさっきから無性に部屋の中を気にしているようだ。
…一体何を隠してるんだ?
突然部屋の奥から誰かの声がした。
ヨンジュンは”やっちまった”というような顔で頭を抱えていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。