第12話

与えられなかったもの。
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2022/10/21 07:56
私はずっと知らなかった。

生まれた頃から不足していたこの感情。

もう取り戻すことは出来ないし、貰えない。そう思っていた。
(なまえ)
あなた
やっと、見つけた。
(なまえ)
あなた
探していた”それ“をくれる人。
それとは何か。

ずっと知らなくて貰えなかったもの…そう、
















     


    愛








生まれてみると既にもうお父さんは居なくて、お母さんは愛をくれない。

そんな状況で愛を知っている方がおかしいのではないか。
(なまえ)
あなた
愛緒すらくれなかったのに。なんであなたが…
この子だったら愛をくれるかな。なんて期待を込めてこの名前にしたのに、

それなのに、愛緒は私の前から消えていった。

居なくなるのは一瞬のことで…私の心には大きな穴が空いた。
(なまえ)
あなた
愛緒。そう、あなたは愛緒。
???
???
分かった。俺は愛緒。
私はロボットを作った。そのロボットの名前は愛緒。

心の穴を埋めようと思って作ったロボット。

でも、やっぱりダメだった。ロボットには心がない。



私が欲しかった愛はくれなかった。
未来で死んだ。なんて話、よく分からなかった。

でもきっと現れてくれたのはあの時のあなただよね。

昔から仲が良かった。ゆきむら。くん。

ずっと好きだった。でも、伝えられなかった。
(なまえ)
あなた
だって、愛が分かんなかったから。
あなたが愛してくれるなんて思ってなかったから。
現在
(なまえ)
あなた
ねえ、ゆきむら。さん。私を見捨てないですか?
ゆきむら。(幼い頃)
僕の名誉に賭けて見捨てない。
(なまえ)
あなた
私を1人にしないでね。
ゆきむら。
もう絶対、1人にしない。約束。
私が死んだのは過去の話。


未来から来た私の命の恩人はまた、私を救ってくれたようです。

そして私は本当の愛を知る。

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